北海道書店ナビ

北海道書店ナビ  第116回 new styleイオンモール札幌発寒

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


2013年2月、イオンモール札幌発寒内で書店のフロア移動あり。ヴィレッジヴァンガードの姉妹店「new style」が3階に場所を移し、本家ヴィレヴァンの向かいでリニューアルオープンを迎えた。[2013.3.25]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Wm7NO3dL-NY]

イオンモール札幌発寒店3階の一角がなんだかすごい空間になっていた。2013年2月22日「遊べる本屋」でおなじみ、ヴィレヴァンの姉妹店「new style」が元の1階から上がってきて新装リニューアル。その向かいには“やんちゃな妹分”にあたるヴィレヴァン本家があり、全国でも珍しい姉妹店並びとなった。両店とも本・雑貨・アパレルの組み合わせの妙で魅せるディスプレイが売り。そのため、辺り一帯にはひっくり返ったおもちゃ箱のような賑わいが漂っていた。

20〜40代の大人層をターゲットとする「new style」。一年前に京都から着任した松村孝宏店長は“札幌元年”をこう振り返る。「札幌のお客様は文化的な好奇心が豊富。これは売れるかな、とおそるおそる出したものにもきちんと反応があるので、これからもいろんなご提案をしてみたいです」。

全国に約30店舗ある「new style」だが、このイオンモール札幌発寒店から全国に広がった商品展開も少なくないという。サステナブルなライフスタイルを提案する「murmur magazine」の取り扱いも同店が全国初。「街中の書店では見かけないような自然療法やナチュラルケア関連の書籍も関心の強いお母さん層に人気です」。 同店の柱である育児本や絵本、知育本などのキッズ商品も通路に面した場所を大きく確保。店内の移動が難しいベビーカーに配慮した。

「北海道ならではの商品を積極的に置きたい」という松村店長。個人的にも敬愛しているD&DEPARTMENTのガイドブック「d design travel HOKKAIDO」をはじめ札幌スタイルのアイテムなどを店の一等地に配置した。こちらも同店でしか取り扱っていないという北海道発のナチュラルブランド「NORTH FARM STOCK」のおいしそうなジュレやジャムが客足を止める強力なストッパーになっており、専門書店にはマネできない商品の複合力を実感させられた。
リニューアル後の抱負は「murmur magazineのように細くても長く売れるもの、商品自体の賞味期限が長いものを大切にご紹介していきたいです」。イオンモール札幌発寒店3階の一角から発信されるnew style的なトレンド情報に今後も期待したい。
Store picture

アメリカ西海岸の開放的な雰囲気を取り入れた明るい内装。



イオンモール札幌発寒店の目玉のひとつ、キッズコーナー。



「北の生活」という共通点から関心が寄せられる北欧アイテム



本と同じ棚に食品が並ぶのもnewstyle独自の魅力。道産ブランド「NORTH FARM STOCK」が人目を引く。



Basic information
【  住    所  】札幌市西区発寒8条12丁目1−1イオンモール札幌発寒3F
【 電 話 番 号】011-669-6633
【 営 業 時 間】9:00〜22:00
【 定  休 日  】不定休

松村店長がセレクト! 3冊のおすすめ本

1)久保俊治著「羆撃ち」(小学館)

新刊ではありませんが、今も知床半島でプロのハンターとして活動する著者の狩猟ノンフィクションです。北海道の春夏秋冬や私たちにも身近な小樽、札幌の描写に親近感を覚えます。相棒のアイヌ犬フチとの関係など内容も素晴らしいですが、ひたむきな文章の美しさにも心打たれる一冊です。物書きが本業じゃないのに、と舌を巻く思いでページをめくっていきました。


2)江口宏志著「ハンドブック」(学研教育出版)
江口さんは東京・青山の書店「ユトレヒト」の代表であり、「TOKYO ART BOOK FAIR」などを主宰する本のスペシャリスト。本書はその彼が「僕と本」や「子どもと本」といった25のカテゴリーで紹介する選書本です。写真が多くカテゴリー別に紙の色を変えたりと見た目にも楽しめますが、なにより「この本をここで紹介するのか!」と驚かされるような変化球に富んだラインナップが秀逸です。自分もそういう自由な発想を店づくりに反映できたら、と大いに刺激を受けました。
3)ミヒャエル・エンデ著「愛蔵版 モモ」(岩波書店)
児童文学の金字塔「モモ」といえば、皆さん、函入りのあの表紙を思い浮かべるかもしれませんが、実は同じ岩波書店から小さくてかわいらしい愛蔵版が出ていることをご存知ですか?2001年に発刊されたこの愛蔵版は橙色に懐中時計のイラストが目印。使用している紙や印刷インクも暖色系で統一された美しい造本で、大人心をくすぐるスペシャルエディションに仕上がっています。「モモ」の魅力は時代を超えた普遍のもの。春のプレゼントにおすすめです。

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