北海道書店ナビ 第46回 あすか書房サッポロファクトリー店
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心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?
あすか書房サッポロファクトリー店は併設のシネコンで上映される映画原作を集めた「メディア化コーナー」が充実。北海道書店ナビ2度目の登場は、前回の福士店長からスタッフの豊田さんにバトンが渡された。
あすか書房サッポロファクトリー店 豊田佳子さん
「学生の頃から読書好きで、いつか本屋さんで働けたらと思っていました」。そう自己紹介してくれたのは、スタッフの豊田佳子さん。一年前にあすか書房サッポロファクトリー店の求人広告を見つけ、念願の書店勤務が始まった。
「意外に力仕事が多いとか、働いてみて初めてわかることもありますが、やはり自分の好きなものに囲まれて働けるのは楽しいですね」と笑顔を見せる。
現在の担当は育児・スポーツ本を含む実用書コーナー。福士店長からは、自分の好みや興味ばかりが反映された“趣味の棚”ではなく、“幅広い良書を揃えた書店の棚”にするため、公平な目線を持つようアドバイスを受けたという。
「以前はあまり関心がなかった本にもしっかり目を向けて、書店員としての知識を増やしていくことが目下の課題です。あと、できるだけ面(表紙)を見せてお客様に気軽に手に取っていただくようにしています」。
店が今最も力を入れている文芸コーナーでも、平台とは別に複数の棚の横一列を面陳にあてて、表紙をPR。
店の各所にワゴンを使ったミニコーナーを設置するなど、頻繁に通う常連客を飽きさせまいとする店側の努力が伝わってくる。
憧れの書店員になってからますます読書欲が高まったという豊田さん。「私自身の読書スタイルは気に入った本を繰り返して読む“再読派”。今の職場を通じて長くつきあえる本との出合いが格段と広がりました。この喜びをお客様とも分かち合えるようにこれからも頑張ります」。書店員の顔でそう語ってくれた。
豊田さんがセレクト!3冊のおすすめ本
1)貴志祐介著「鍵のかかった部屋」(角川書店)
ミステリー&サスペンス好きの私のイチオシがこちら。貴志祐介のミステリー作品にハズレなし!防犯探偵の榎本シリーズです。驚愕の密室トリック4作が収録されている本作の面白さは、いまだに何度も読み返してしまうほど。登場人物の造形が際立っているので、映像化も見てみたい気がします。
2)パトリシア・コーンウェル著「検屍官」(講談社文庫)
海外ミステリーの金字塔、検屍官シリーズ。スティーブン・キングが絶賛しているという帯に惹かれて第一作を買って以来、全作読んでいます。ミステリーとしての完成度の高さもさることながら、主人公が「検屍官」という特殊な設定が作品全体に個性的な魅力を与えています。ファンとしては2010年に亡くなった初代の翻訳者、相原真理子さんの功績にも拍手を送りたいです。ぜひ初期の作品からご覧いただきたいと思います。
装丁の美しい本)高橋歩著「いつもココロに青空を。青空はつながっている。」(A-Works)
当店でサイン会を開いたこともある作家さんのフォトエッセイです。家族と一緒にキャンピングカーで世界を放浪する高橋歩さん。表紙の青空もそうですが、どのページもずっと見つめていたくなる風景や笑顔ばかり。恥ずかしながらサイン会があるまで、高橋さんのことは知りませんでした。こういう素敵な本と出合える書店員という仕事の魅力を再確認しています。
週間売筋ランキング 対象期間 平成23年9月2日〜9月9日
文庫
第1位:「探偵はバーにいる」 東直己 著(早川書房)
第2位:「バーにかかってきた電話」 東直己 著(早川書房)
第3位:「神様のカルテ」 夏川草介 著(小学館)
文芸書
第1位:「謎解きはディナーのあとで」 東川篤哉 著(小学館)
第2位:「麒麟の翼」 東野圭吾 著(講談社)
第3位:「下町ロケット」 池井戸潤 著(小学館)
ビジネス書
第1位:「心を整える」 長谷部誠 著(幻冬舎)
第2位:「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」 福島文二郎 著(中経出版)
第3位:「憂鬱でなければ、仕事じゃない」 見城 徹, 藤田 晋 著(講談社)
趣味生活書
第1位:「体脂肪計タニタの社員食堂」 タニタ 著(大和書房)
第2位:「続・体脂肪計タニタの社員食堂」 タニタ 著(大和書房)
第3位:「カーヴィーダンスで即やせる」 樫木裕実 著(学研)
児童書
第1位:「どんぐりむらのぱんやさん」 なかやみわ著(学研)
第2位:「こびと大百科」 なばたとしたか著(長崎出版)
第3位:「ぼく、アンパンマン」 やなせたかし著(フレーベル館)