2022年7月18日に札幌駅地下街アピアにあったアピア店が閉店し、今週8月31日には北郷店が閉店する札幌弘栄堂書店(親会社はトーハングループの株式会社スーパーブックス)。
Twitterで発表された閉店の投稿がたちまち拡散された札幌弘栄堂書店アピア店。営業最終日の7月18日に撮影。
スタッフ一人一人が一文字ずつ書いた閉店当日のご挨拶。
JR札幌駅の西側改札から最も近い新刊書店であるアピア西店は、全3店舗中最後となる9月30日の閉店が決まっており、現在店頭では感謝を込めた様々な企画を展開している。
レジ横には「当店思い出のベストセラー振り返りフェア」が並び、棚には弘栄堂書店パセオ西店全スタッフのおすすめ本を集めた「みんなのフェア」が、店奥では同店が応援し続けた北海道出身の直木賞作家「桜木紫乃全点フェア」を大々的に開催中。
「ありがとう さようなら弘栄堂書店」という黄色い帯つき商品2冊お買い上げでブックカバーを使った特製缶バッジ1個プレゼントフェアを展開中。
桜木さんは弘栄堂アピア店の営業最終日にわざわざ店頭に駆けつけてスタッフを労うなどの心配りを見せ、残すところ約1カ月の営業となったパセオ西店でも「一日店長」企画で花を添える。
こうしたイベントは同店にとって「最初で最後」とのこと。書店と作家の信頼関係がなければ実現できない内容だけに、長く記憶に残る1日になってほしい。
また、札幌の都心部、さっぽろ地下街オーロラタウンにある紀伊國屋書店オーロラタウン店も8月31日で閉店を迎える。
同店は1971年11月、紀伊國屋書店の北海道進出第一号店(旧札幌店)として開店した。同店の閉店後、札幌市内の紀伊國屋書店は札幌本店と厚別店の2店舗になる。
現在、店頭では「書店スタッフという肩書きを取っ払って(エプロンとって)大好きな本を、一人ずつ全力でおススメ」するフェア「エプロンとって個人的にオススメしますFINAL」を開催中。SNSでも日替わりで発表し、注目を集めている。
2022年5月に札幌で立ち上がった「函文庫」プロジェクトは、書店のブックカバーを文庫サイズの紙箱にリメイクする同名のDIYキットを発売中。
発案者である前田麦さんやデザイナーの小島歌織さんたちが講師となってワークショップを開き、雑貨好きや書店好きのハートを掴んでいる。
第549回 BOOKニュース 札幌発・書店×デザイン×ハコの三位一体「函文庫」プロジェクト
その函文庫が丸善とコラボし、2022年8月から丸善ジュンク堂書店限定販売バージョンの「丸善 函文庫ギフトボックス」を新発売!
通常の函文庫は文庫とほぼ同じ高さのため、文庫そのものを入れることは叶わないが、こちらは一般的な厚さのものなら中に入れて贈ることができる。
福島県のロゴマークをデザインしたブックカバーは人気クリエイターの寄藤文平さんがデザイン。一個363円(税込)で、一個販売につき30円が福島県の「災害復興寄附金」に寄付される。
丸善・丸の内本店をはじめ、福島県の郡山店、札幌店など全国主要10店舗で好評発売中。
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