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北海道書店ナビ  第158回 紀伊國屋書店札幌本店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


世界中の上質な書店を集めた「世界の夢の本屋さん2」でも取り上げられた、ガラスのファサードが美しい紀伊國屋書店札幌本店。札幌駅近くという場所柄、店内はいつも大勢の客で混み合い、なかでも1階中央のベストポジションにある文庫・新書のコーナーは、もっとも人口密度が高いスポットのひとつだ。担当の傳甫(でんぽ)雪見さんにお話をうかがった。[2014.1.27]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=tSgOcwHqB8w]

書店員の傳甫さんは5年前から同店勤務。古書店に勤めた経験があり、そこを辞め他の業界で働いたときに実感した書店への思いが捨てがたく再び本を扱う世界に戻ってきた。最初の配属先だった実用書から3年前に文庫・新書に移動。1年目は文庫チームに入り、想像以上の売れ行きの多さに驚いたという。「実用書は目的買いがメインですが、文庫・新書は不特定多数のお客様が“何かいい本、あるかな”くらいの気持ちでご覧になっているケースがほとんど。それでも“黙っていても売れる”というわけでないので、各出版社別の文庫担当者がエンド台のイチオシ本を入れ替えたりして変化のある棚づくりを考えています」。

文庫は“ジャケ買い”ならぬ“表紙買い”も多く、人気漫画家が描き下ろした新装丁になれば古典の名作も動く、という出版社の仕掛けはよく知られているところだ。一方、新書の場合、タイトルごとに大きく表紙デザインが変わらないため、頼みの“帯”に著者の顔を載せるなどして訴求力を高めている。「新しい出版社さんだと表紙もビジュアル的なものが多くなりましたが、文庫と比較するとまだまだ文字情報のみのイメージ。積極的にフェアを展開して、店のスタッフに作ってもらったポップや看板でお客様に興味を持っていただけるように工夫しています」。

リアルな立体ポップと共に平台に積み上げられた寺子屋新書(子どもの未来社)の『カラスの常識』は、この札幌本店だけですでに1300冊を突破したスマッシュヒット。「本自体は2007年に発行されたものですが、上司が“札幌はカラスが多いから面白がってもらえるんじゃないか”と仕掛けたところ見事に当たりました。私もそういう感度を磨いて、独自の企画を手がけていきたいです」
入社当初は一年契約だったが、昨年「準社員の試験を受けてみないか」と上から言われ、見事試験と面接を突破した傳甫さん。「今は新書のリーダーになり責任も大きくなりましたが、やはりずっと本屋さんで働きたかったので機会をいただけて本当に嬉しかった。私自身、ずっと探してた本や自分が知らなかった新しい本に出会えたときの喜びがわかるので、お客様にも同じ喜びを感じていただけるようにこれからも頑張ります!」
Store picture

シンガポールの建築家ケイ・ニー・タンが設計した紀伊國屋書店札幌本店。



店内に「カラス」がいた!札幌独自の切り口が当たった面白企画



出版社を超えて読んでほしい新書をPR。



文庫のエンド台では出版社別担当者のイチオシ本を紹介!


Basic information

【  住    所  】札幌市中央区北5条西5丁目7 sapporo55
【 電 話 番 号】011-231-2131
【 営 業 時 間】10:00〜21:00
【 定  休 日  】年中無休


傳甫さんがセレクト! 3冊のおすすめ本

1)有川浩著「三匹のおっさん」(文藝春秋)

有川浩さんは大好きな作家の一人。登場人物同士のかけあいや人間関係が好きで、この本もハードカバーのときに読みました。タイトルだけを見ると敬遠しがちですが、そこをぐっとこらえて手に取っていただきたい。同級生であるおっさんたちがいい意味で予想を裏切ってくれます。ドラマ化も楽しみな痛快作!一気読みできる一冊です。


2)百田尚樹著『永遠の0』(講談社)

『海賊…』で2013年第10回本屋大賞を受賞した百田直樹さんのデビュー作。V6の岡田さん主演映画が公開される前から当店でずっと売れ続けているロングセラーです。買って行かれるお客様の年齢層の幅広さにも驚かされます。章ごとに考えさせられること、感じることが多く、私たち日本人が読んでおきたい本だと思いました。個人的にも映画館に観に行く予定です。


3)成美堂出版編集部著『―WONDER SPOT― 世界の絶景・秘境100』(成美堂出版)

写真の迫力がとにかくすごい!タイトルどおり世界の絶景・秘境が一冊に詰まったぜいたくな写真集であり、実は「ここに行くには」というアクセス情報が載ったガイドブックでもあります。有名な場所も載っていますが、セネガルにあるバラ色の湖「ラック・ローズ」など初めて知るところもいっぱい。「世界で最も美しい図書館」というテーマで4館紹介されていて、それがどこかは…ぜひご自分でお確かめください!


紀伊國屋書店札幌本店のフェア情報

絵葉書で訪ねる古き良き時代の札幌・北海道と美術絵葉書書展 2014年1月17日~2月28日迄
温故知新「絵葉書で訪ねる懐かしの風景」をテーマに明治後期から大正・昭和の初めにかけての絵葉書を忠実に再現。復刻販売します。
2013年角川文庫紀伊國屋書店札幌本店ベストランキングフェア 2014年1月17日~3月31日迄
2013年に札幌本店で人気だった角川文庫を集めました。是非お手にとってご覧下さい。

週間売筋ランキング 対象期間平成年月日~月日

文庫

第1位:「永遠の0」 百田尚樹 著(講談社)
第2位:「下町ロケット」 池井戸潤 著(小学館)
第3位:「幸福な生活」 百田尚樹 著(祥伝社)


文芸書

第1位:「面倒だから、しよう」 渡辺和子 著(幻冬舎)
第2位:「舞台」 西加奈子 著(講談社)
第3位:「昭和の犬」 姫野カオルコ 著(幻冬舎)


ビジネス書

第1位:「心配事の9割は起こらない 」 枡の俊明 著(三笠書房)
第2位:「できる人の仕事のしかた」 リチャード・テンプラー 梅田直美 著(ディスカバー・トゥエンティワン)
第3位:「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」 堀江貴文 著(ダイヤモンド社)


趣味生活書

第1位:「ズボラでも血糖値がみるみる下がる57の方法 」 板倉弘重 著(アスコム)
第2位:「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」 詩歩 著(三才ブックス)
第3位::「dancyu日本一のレシピ 」 (プレジデント社)


児童書

第1位:「おやすみ、はたらくくるまたち」 シェリー・ダスキーリンカー 著 トム・リヒテンヘルド 絵(ひさかたチャイルド)
第2位:「しっぽ、しっぽ、しっぽっぽ」 木曽秀夫著 (フレーベル館)
第3位:「きんぎょがにげた」 五味太郎 著 (福音館書店)

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