[2019.5.27]
富良野在住の画家イマイカツミさんが、5月17日から札幌市中央区の書店でスケッチ展を開催している。
会場は中津箒(なかつほうき)のアトリエとお店「がたんごとん」。元書店員の吉田茜さんが2017年に開いた書店の中に、夫の慎司さんがアトリエを構えている空間だ。
神奈川県愛川町中津の特産品である中津箒を編む吉田さん。現代短歌にも詳しく、店では詩歌の関連本も豊富に取り揃えている。
イマイさんが画集を出している寿郎社の編集者、文平由美さんが仲介役となり、両者ともに初めてのコラボ企画が実現した。
「がたんごとん」のコンセプトである《生きるための道具》を、風景画家であるイマイさんが水彩画で描いたらどうなるのか–。主催者側にとってもワクワクするような試みになったという。
富良野で半農半画家生活を送るイマイさん独自の視点で選んだ道具たちが描かれている。
赤いのぼりが控えめに自己主張している寿郎社コーナーも展開。
イマイさんが描く中津箒も多数出展。精確な再現性に加えて水彩画ならではのふんわりとした色気もまとっている。
吉田さんは本展準備のためにイマイさんが富良野で仲間とともに廃材だけで作った小屋に泊まりに行ったそう。本展の図録(500円)もおすすめ。贈り物にもいい。
出展されたスケッチはどれも一点もの。2500~3000円で販売している。
さらに特別イベントとして6月23日(日)の11時、13時、15時から「イマイカツミ その場でスケッチーあなたの宝物描きます。」を開催(要予約)。関心がある方は「がたんごとん」のサイトで詳細のご確認を。
店主の個性が立っているマイクロ書店が表現者と組んで展開する企画展は、お客である私たちにとってもその店を、その人を、その店に置いてある本を知る導火線になってくれる、まさに楽しい企てだ。
5月から始まったイマイさんのスケッチ展もそろそろ折り返しだが、見に行けるチャンスはまだ十分ある。
週末限定の開催日時をチェックのうえ、ぜひお運びいただきたい。
2019年5月31日(金)、6月1日(土)、2日(日)、7日(金)、8日(土)、9日(日)、15日(土)、21日(金)、22日(土)、23日(日)
12:00~18:00(日曜は17:00まで)
箒のアトリエとお店「がたんごとん」
札幌市中央区南1条西15丁目1-319 シャトールレェーヴ 605号
1975年大阪府生まれ、横浜育ち。成蹊大学文学部卒業後、入社した出版社を退めて画業に専念。2001年富良野市に移住し、農作業ヘルパーや美術教師などをしながら国内外の風景を描き続ける。著書に『大人が楽しむはじめての塗り絵 北海道の旅』(いかだ社)、『大地のうた富良野』、『北海道の駅舎』(いずれもイマイカツミ探訪画集シリーズ、寿郎社)など。
©2025北海道書店ナビ,ltd. All rights reserved.