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第456回 病理医ヤンデル先生 こと 市原真さん


Vol.171 病理医ヤンデル先生 こと 市原真さん

病理医ヤンデル先生 こと 市原真さん

単著・共著をあわせ多数の医療本を書いているヤンデル先生。2019年12月中旬現在のTwitter フォロワー数は11万人!

[本日のフルコース]
Twitterフォロワー数11万人!
ヤンデル先生の心をわしづかむ「病む前に読む本」フルコース

[2019.12.23]

ヤンデル先生の心をわしづかむ「病む前に読む本」フルコース本

書店ナビ2019年最後のフルコースとなる今回はスペシャルゲストをお招きしました。
Twitterのアカウントは@Dr_yandel。自己紹介欄に「苦笑と微笑を2倍にします」と書く現役の病理専門医、通称「ヤンデル先生」です!
 
アカウント名「ヤンデル」は、2010年に日本で初放送されたNHK「ハーバード白熱教室」で一躍、時の人となった同大学教授であり政治哲学者のマイケル・サンデル氏からヒントを得て。
氏の著書『これからの「正義」の話をしよう』になぞらえて、病理学という”患者を直接診断することのない”非常に専門的な分野を一般社会に開くため、「これからは病理の話もしよう」という決意をこめたものだそうです。
 
2011年4月15日に「ヤンデル」名義でつぶやきを始め、その軽妙な語り口でファンを集め、現在はフォロワー数11万人。
北海道でいうと小樽市が約11万4千人ですから、小樽市の9割に匹敵するフォロワーたちに発信力を持つインフルエンサーとして知られています。
 
ヤンデル先生が猛烈な読書家であることは、タイムラインを見ていれば一目瞭然。
札幌市豊平区の「かの書房」のご店主、加納あすかさんのご仲介で取材させていただくことになりました。

病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと

病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと
市原真  大和書房
「ほぼ日」の糸井重里氏も絶賛!現役病理医による医療エッセイ。患者と医療従事者が考えるそれぞれの常識のギャップ解説や膝を打つようなたとえ話に引き込まれ、Twitterをしていなくてもここからファンになる人が多いヤンデルワールド入門の書。

ヤンデルぼくの読書歴を簡単にお話ししますと、高校2年までは数学や物理系の本が大好きで、通っていた図書館の物理の棚を片っ端から読んでいました。
医学部生になってからは小説やコミックばかりで、自分のフィールドである生物科学や”生き死に”に関する本はほとんど読んできませんでした。
 
それが大きく変わったのはやはりTwitterを始めてから。今日ご紹介する本もタイムラインに流れてきたものばかり。気になる著者やお世話になっている編集者さんが話題にしていたので手に取りました。
 
それともう一つ、自分の読書世界を広げてくれた存在が「北海道書店ナビ」の記事で知った「かの書房」さんです。
よく行く本屋さんのこと、なんて言うんでしたっけ。”かかりつけ”とは言わないんでしたっけ?(”行きつけ”です)。
とにかく書店主の個性が色濃く出ているリアル本屋さんとして興味を持ち、それからすごく頼りにしています。
 
なので今はTwitterとかの書房さんと編集者さんが勧めてくれる本で、自分のまったく知らなかった新しい世界の扉を開いているという状況です。

書店ナビ今回の「病む前に読む本」フルコースは、がんやケア、セラピーを扱った医療本、ヤンデル先生お得意の分野で構成されています。
「病む前に読む」というタイトルは、どういう思いで?

ヤンデル“元気なうちに読んでもおもしろい!”。僕自身、すごく前のめりになって読めたので、みなさんにも気軽に読んでもらいたいと思って選びました。
並び順は実際にぼくが読んだ順とは違って、「この順番に読んだらもっと早く、しかもより腑に落ちながら読めただろうな」という順番に変えています。

[本日のフルコース]
Twitterフォロワー数11万人!
ヤンデル先生の心をわしづかむ「病む前に読む本」フルコース

前菜 そのテーマの導入となる読みやすい入門書

野の医者は笑う 心の治療とは何か?

野の医者は笑う 心の治療とは何か?
東畑開人  誠信書房
西洋医学を用いて病気を「治す」ことを必死で考えてきたぼくら医療者が読むと高確率で殴られた気持ちになる本。ヒーラー、占い師、新興宗教的ななにか、癒やしとはなんなのか。生きて死ぬまでの間、ぼくらは知らないうちに何度笑い、何に癒やされているのか、癒やすことが癒やされることにつながるというのは、なんだ。

書店ナビ著者の東畑さんは1983年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程を修了した現役バリバリの臨床心理士。
その彼が沖縄の各所にいる「怪しいヒーラー」たちの話を聞いてまわる体験エピソードをまとめた一冊です。

ヤンデル誰が読んでも”食べやすい”不思議エッセイ。この本を読むと、西洋医学や標準医療を100%いいものと信じて勧めていたぼくたちの物言いさえ変わる可能性を秘めている。
医療が通じなくなるような場面では、東畑さんが沖縄で会った人たちのようなサポートもあることを伝えないと不十分なのではないか、そう感じます。
 
東畑さんはとても頭がいい人なので、すごく平易なことばで代替医療について語っていますが、実はあとでご紹介する《肉料理本》にも同じ内容が違う表現で出てきます。
なのでこの本を”食べてから”でないと、のちのちの消化も変わってくる。そういう意味で《前菜本》にしました。

書店ナビ不穏なイメージがつきやすい「癒やし」ということばのイメージは、読後変わりますか?

ヤンデル西洋医学・標準医療と役割が違う、と考え始めます。この本の旨味を一言で言うと、”あなたを癒やしているわたしがいま癒えている”、この境地。
折り返しの写真も大きなヒントになるので、ぜひご覧ください。

スープ 興味や好奇心がふくらんでいくおもしろ本

ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。

ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。
幡野広志  ポプラ社
生と死に対する向き合い方は人それぞれであるとわかってはいるけれど、それをここまでシンプルかつ力強く文章に残すことはほとんどの人にはできないと思う。自分が死んだあとに残される人のことを「どう思うか」。

書店ナビ1983年生まれの幡野広志さんは2017年12月、ご自身のブログで多発性骨髄腫にかかり、余命を宣告されたことを公表されました。反響が非常に大きかったですね。

ヤンデル幡野さんというひとは一言で説明することができないくらい、才能と努力に満ちあふれた方。ひとつの社会現象にも等しい存在です。
現在完治が困難な血液のがんにかかられていて、写真家として人の心をうつ作品を撮られている。しかもかつては狩猟家として命そのものに向き合ってこられ、今はひとりの親であり、おまけに文章を書かせたらめちゃめちゃうまい――巨大な才能です。
 
この本はいわゆる自己啓発本ではありませんが、読めば自分を取り巻くしがらみを含め”まわり”がすっきりする。結局、苦しいのは「誰」なのか。「どうして」苦しいのか。
しんどいエピソードがいっぱい出てきますが、読み終わると「選び直す」というのはどういうことかが見えてきます。
この本も、先にご紹介した東畑さんの本もあとで「クラインマンの三つのセクター」の話でもう一度出てきます。

魚料理 このテーマにはハズせない《王道》をいただく

がんを抱えて、自分らしく生きたい がんと共に生きた人が緩和ケア医に伝えた10の言葉

がんを抱えて、自分らしく生きたい がんと共に生きた人が緩和ケア医に伝えた10の言葉
西智弘  PHP研究所
スープから魚料理への流れはひねらない。「幡野さん」という極めて丁寧で味のしっかりしたスープを味わったあとは、真っ正面からその味を受け止めて展開できる「西智弘さん」の魚料理へスッと移行したい。おそらく同じワインが合う。本人達もしばしばイベントなどで対談というか「組み手」をやっているのを目にする。

ヤンデル西先生のTwitterのアイコンは幡野さんが撮った写真なんです。めちゃめちゃカッコイイですよ!
さきほどの幡野さんの本でがん患者と家族の苦悩に触れたあとは、医療従事者ならば西さんの本を読むべし。最近読んだ”医師が書いた本”のなかでもダントツです。

書店ナビ西先生は腫瘍内科、緩和ケア、在宅医療のプロフェッショナル。川崎市で立ち上げた一般社団法人プラスケア代表理事として病院と自宅の中間地点にあたるような居場所「暮らしの保健室」を展開しています。

ヤンデル西さんはおそらく幡野さんと出会ったことでさらに影響を受け、2019年の5月に出されたこの本でも「この人はとうとう本気で患者と向き合っていくんだ!」とこちらが身震いするような覚悟を打ち出しています。

文中、あるがん患者さんと西さん、看護師さんが診察室にいる場面があるんです。つらそうな患者さんが「…ありがとうございました」と部屋を出て行ったあとに看護師さんが「もうちょっと話を聞いてきます!」と言って患者さんの後ろ姿を追って飛び出していく。
それってもう、主役は医師じゃないですよね。もしかすると他の医師なら「患者がつらそうだったので後日話を聞いた」と書きそうなところを、西さんは医療チームの目線ですべてを描写している……うなりました。なんていい医師なんだ!

そんな彼の”始まりの宣言”のような本書はまさにいま、いまこそ読む価値があると思います。

書店ナビこのあとの《肉料理本》ですが、事前に記入していただく選書シートには当初、別の本が書いてありましたが、取材当日の朝、ヤンデル先生が急きょ「つい3日ほど前に読み終わったある本によって構想がかわり」、「メインディッシュを3つからお選びいただくコース」バージョンの選書シートを送ってくださいました。
その「ある本」がこちらです!

肉料理 とっても食べやすい地鶏の胸肉

急に具合が悪くなる

急に具合が悪くなる
宮野真生子、磯野真穂  晶文社
急に入荷してシェフがびっくりしてメインディッシュを差し替えてご用意。本日ご提案する肉料理3品中、もっとも食べやすくなっております。焼き加減、味付け、付け合わせの妙、さらには「本質的な味以外の部分」(見た目とか、かおりとか)まで含めて、シェフが目の色をかえて推したくなるレベル。死は医療のゴールなのか? コミュニケーションが描く「ライン」とは? クラインマンの3セクターを前に医療者はたたずみ、患者と友人は奇跡の結末に向けて駆け抜ける。

書店ナビ先に本書のことを説明します。1977年生まれの哲学者、宮野真生子さんは2011年に乳がんが発症し、その後肝臓への転移再発が発見。多発転移が進み、医師から「急に具合が悪くなるかもしれない」と言われます。
その宮野さんと1歳違いで、「文芸共和国の会」で知り合い、往復書簡(本書)の相手に指名された人類学者の磯野真穂さんは、”「急に具合が悪くなる可能性」を入れ込むとはどういうことなのか”を、あらゆる角度から言葉を尽くして問い続けます。

ヤンデルぼくはこの本が、ここ十年読んだなかでベストワンだと思います。だからみなさんにもなんの前情報をいれたりしないで、ただひたすら没頭して読んでほしい。
でも、この企画は「本のフルコース」ですから少しだけお話しさせていただきますね。

さきほどちらっと触れた「三つのセクター」の話。医療人類学者アーサー・クラインマンはヘルス・ケア・システムに「三つのセクター」があると定義しています。本書では磯野さんがそれを引用しています。
一つは「民間セクター」、もう一つは「専門職セクター」、三つ目は「民俗セクター」。
ぼくはここまで読んできて、「そうか!」とわかったんです。「民間セクター」とは幡野さんのような患者本人とご家族や彼らを取り巻く友人知人、親戚たち。なにが最善なのかがわからないゆえに、ときには「よかれと思って」さまざまなことをすすめたりする人々のこと。
「専門職セクター」とは西さんやぼくも含めた我々医師、医療従事者のセクターです。
そして最後の「民俗セクター」こそが《前菜本》の東畑さんが出会い体験した沖縄の代替治療やヒーリング、あるいは妖術といった世界。
この《肉料理本》を読むことで、ここまでの3冊が語ろうとしていたことが一本の糸ですべてつながって見えてくるんです。

そして本書でも、このすべてのセクターに宮野さんは関わり、巻き込まれ、模索していく。当初は合理的な知性のはたらきを唯一の寄りどころと考え、医師にとって「良い患者」であろうとする彼女のもやもやや決意が、磯野さんに答えるという形でつぶさに書かれています。

この本を読んだあと、ぼくは猛烈な無力感におそわれました。一方、この本を文芸として読むと、”助かり方”のヒントを得られる患者さんもおられると思います。とにかくすごい。最高の一冊。
これは妄想にすぎませんが、この本は私小説として芥川賞候補にいれてもらいたいくらいです。

用意して頂いた本

急きょ3冊になった《肉料理本》だったが、やはりイチオシは『急に具合が悪くなる』。他の2冊も駆け足で紹介してくれた。

ヤンデル当初考えていた「対話とはなんなのか」フルコースの流れのままだったら《肉料理本 香辛料たっぷりの鴨肉のロースト》は『開かれた対話と未来』(医学書院)。
でもこれはフィンランドの国家予算を使って出版された専門書、現在精神医療の世界で用いられている治療法「オープンダイアローグ」入門書の和訳なので、相当しんどいんです。何度も読んで咀嚼できるようになると、味わいがわかり始める。
もしオープンダイアローグに興味がある人は《デザート本》として『対話のことば オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得』(丸善出版)をおすすめします。イラストがいっぱいで、具体的でわかりやすい。

そしてもう一冊の《肉料理本 松坂牛の鉄板焼き》は、大好きな医学書院の「シリーズ ケアをひらく」の中でも國分功一郎さんの大名著『中動態の世界』を。腹にずしんとたまります。
能動態「~する」でも受動態の「~される」でもない中動態の世界。
北海道のみなさんはおなじみですよね。そう、あの「食べらさる」「書かさんない」の「~らさる/~らさんない」です。
ペンか紙かなにか環境の力が起こり、自分の力をもってしても書けないことが「書かさんない」ですよね。
この中動態を医療やケアの文脈にのせると、病院選びや治療の方針なども患者や医師が「選んだ」という積極的な能動態ばかりではなく、「そう、選ばさった」的な現実が一番多いのではないかということに非常に得心がいく。
『急に具合が悪くなる』の宮野さんもやはり「合理的性の鬼」から徐々に「~らさる」選択肢を視野に入れていく。なので『急に具合が悪くなる』を読んでから、この『中動態の世界』を読むとめちゃめちゃよくわかるんです。

『病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと』あとがき

『病理医ヤンデルのおおまじめなひとりごと』あとがきでも「中動態」の文字が出てきていた。

デザート スイーツでコースの余韻を楽しんで

居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書(シリーズ ケアをひらく)

居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書(シリーズ ケアをひらく)
東畑開人  医学書院
デザートは読みやすく、かつ帰る道すがら思い出しては楽しい気分になるようなものを選んだ。医療とは、健康とは、病気とは。セラピーとは、ケアとは。余韻を思い出しながら味わうにはぴったりである。実のところ、肉料理をあきらめた人にもデザートだけは食べてもらいたい。

書店ナビ最後の一冊がふたたび、《前菜本》の東畑さんの著書。大きな輪が完結しましたね。時系列では『野の医者は笑う』のほうがあとの出来事ですが、本として出された順番は逆。
京大を出たばかりの東畑さんがようやく見つけた就職先は、沖縄の精神科デイケア。意欲に燃える「トンちゃん」は一見トンデモ世界に入り込み、「居場所」や「対話」「ケア」の深淵をのぞきこんでいく…。

ヤンデルこの本は中学生でも読めるはず。挿絵もついているんですが、ぼくは挿絵の印象がまるでなくて、とにかく中味に没入して読みふけり、東畑さんが炎天下に患者たちと一緒にソフトボールをしたときの暑さや湿度を、まるで自分のことのように”思い出す”ことができます。
 
「トンちゃん」と呼ばれて名前を奪われるジブリパロディーとか、きっとぼくより教養が深い方がお読みになったら各所に眠っているいろんな仕掛けに気づいて、さらに深く楽しむことができると思います。

ごちそうさまトーク 2020年3月、かの書房1周年にヤンデル先生登場!

書店ナビすぐれた料理人はその日届いたばかりの素材でフルコースを一気に組み立てるといいます。
取材当日の3日前に読了された『急に具合が悪くなる』は、それほどインパクトの大きい一冊だったんですね。

ヤンデル東畑さんも幡野さん、西さんもみなさん、「いや~腹立つわ~!」と言いたくなるくらい、文章がうまいひとたち。
言ってみれば”普段あまり飲まないひともスルスル飲めちゃう、だけど実はアルコール度数が高いカクテル”みたいなものなんです。
 
その点、宮野さんと磯野さんはものすごく高い知性から生まれる骨太の文章で、豪速球を投げあうバッテリーのようなもの。
それを装幀できっちり表現した晶文社の編集者やイラストレーターに感服します。

豪速球を投げあう

「電子書籍で読みたかった。紙だと残りのページ数が気になるから。読み終わりたくない一冊でした」

ヤンデルフルコース自体は”東畑始まり・東畑終わり”になりましたが、読みやすいこの2冊を読んだら、きっと他の本も読みたくなると思います。

書店ナビ「かの書房」さん情報によると、ヤンデルタイムラインで推している本があまりにも冊数が多くて、「追いかけるので必死」だとか。
その「かの書房」さんが2020年に迎える一周年イベントは、ヤンデル先生と北海道書店ナビもお手伝いにすることになりました。
詳細は追って関係者のTwitterやブログで発表されます。私たちもちょっとドキドキしながら来年3月を楽しみにしています。
 
以上、2019年のフィナーレを飾るフルコースは、医師と患者、病院と在宅、西洋医学と代替医療など対立事項で語られることが多かった医療・ケアの現場に新しい風が吹き始めたことを感じさせてくれるヤンデル先生選フルコース、ごちそうさまでした!

市原真(いちはら・しん)さん

1978年札幌市生まれ。2003年北海道大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院(現国立がん研究センター中央病院)研修後、札幌厚生病院病理診断科へ(現、同科医長)。医学博士。病理専門医・研修指導医、臨床検査管理医、細胞診専門医。日本病理学会学術評議員。 Twitter アカウントは@Dr_yandelの通称「ヤンデル先生」。2019年12月時点でフォロワー数約11万人。

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スマホの中は マンガしか 入ってないです

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