5冊で「いただきます!」フルコース本
書店員や出版・書籍関係者が
腕によりをかけて選んだワンテーマ5冊のフルコース。
おすすめ本を料理に見立てて、おすすめの順番に。
好奇心がおどりだす「知」のフルコースを召し上がれ
Vol.56 レッドゾーン・プライス文教堂西岡店 佐藤 信也さん
店内ではただいま勢いにのっているコンサドーレ特集を開催中!
[2016.7.25]
書店ナビ | 全国の22チームが総当たりする2016明治安田生命J2リーグ。わがコンサドーレ札幌は首位の快進撃が続くなか、熱烈なサポーターである文教堂の書店員佐藤信也さんが「コンサ応援本」フルコースをつくってくれました。 過去にサッカーフェアを組んだときは私物のユニフォームを展示して店頭を盛り上げ、現在の職場であるレッドゾーン・プライス文教堂西岡店でも店頭の目立つ場所でコンサフェアを展開中。あふれるコンサ愛を職場でも炸裂させている佐藤さん、今年こそ念願のJ1昇格が圏内ですね! |
---|---|
佐藤 | やはり勝ち続けていると、試合を観に行ってもムードがとてもいいんです。苦しい展開になっても自然とスタンドから力強い手拍子が沸き上がり、そのエールは選手の皆さんにもしっかり伝わっていると思います。 この波に乗って、「コンサの試合を生で観たことがない」という方を一人でも会場に呼びたくて考えたフルコース、ぜひご覧ください。 |
前菜 そのテーマの入口となる読みやすい入門書
GIANT KILLING(1)
ツジトモ 講談社
GIANT KILLING、略して「ジャイキリ」の主役クラブは、ETCイースト・ トウキョウ・ユナイテッド。赤黒のクラブカラーもクラブの現状もコンサドーレと似通っているので、自然と感情移入しながら読めちゃいます。
書店ナビ | コンサドーレ札幌とジャイキリは、2012年に道内約170店舗の書店でコラボプロモーションを展開したことがありますね。当時佐藤さんがいらっしゃった宮の森店では複製原画・写真展も行われ、遠くからもコンサファンが見に来たとうかがいました。 しかも当時、宮の森店は文教堂さんの中でも「ジャイキリを一番売った店」だったとか。やはり売る側に愛があると結果がついてきますね。 |
---|---|
佐藤 | 赤黒縦縞のユニフォームもそうですが、大企業の後ろ盾がなく、こじんまりとクラブを運営しているところもETUとコンサは同じ。現在コンサはJ2のリーグ戦首位で、なんとしてもこのまま最後まで走り切ってほしいところ。ジャイキリ最新刊の40巻でも話が代表戦からリーグ戦に戻ってきて、だんだん面白くなってきました。 |
スープ 興味や好奇心がふくらんでいくおもしろ本
北海道コンサドーレ札幌オフィシャル・ガイドブック2016
北海道新聞社
今シーズンはホームの試合を地上波で放送しています。このオフィシャルガイドブックを片手に、出場選手のポジションやプレースタイルを確認しよう!
書店ナビ | 昨シーズンの途中からチームをけん引するのは、元コンサ選手の四方田修平監督。U-18から上がったばかりのDF進藤亮佑選手を抜擢するなどの思いきった起用が当たっています。 宮澤裕樹、都倉賢らが引っ張るチームに2015年から加わった小野伸二、稲本潤一という華やかな”黄金世代”の存在も大きいですね。 |
---|---|
佐藤 | 2002年のFIFAワールドカップのとき、札幌の試合も観に行ったんですが、幸運にも横浜でやった日本対ロシア戦のチケットが手に入りまして、そのときゴールを決めたのが稲本だったんです。 あれ以上の感動はなかったなあ。その稲本がコンサに来てくれて本当にうれしい。怪我は残念ですがしっかり治してもらって来シーズン、J1のピッチに立つ稲本の勇姿をもう一度見たいです! |
魚料理 このテーマにはハズせない《王道》をいただく
サッカーの見方は1日で変えられる
木崎伸也 東洋経済新報社
TVと違い、ナマの試合観戦には解説者がいません。この本で自分なりの観戦ポイントを押さえておこう!
書店ナビ | いいチームと悪いチーム、いい選手と悪い選手の違いなど、スポーツ観戦ビギナーにもわかりやすい視点で描かれているところがいいですね。 |
---|---|
佐藤 | いちいちうなずくことが多く、例えば、いいチームはボールを奪ったあと、守から攻への切り替えが速いなんていうのもそのひとつ。こういうことを意識しながら観ていると、ゲームも楽しめるようになると思います。 ちなみにテレビ北海道のサッカー中継には「実況」がいないんですよ。あえてサッカーに詳しくない女性アナウンサーを「ナビゲーター」と位置づけて、怪我で休んでいる選手やOBが解説でサポートする。 はじめは素人同然だったナビゲーターがちょっとずつ詳しくなっていく成長も、見どころのひとつかも。 |
「試合観戦後はサポーターが集まる店でまた盛り上がるのが楽しみ」という佐藤さん。
肉料理 がっつりこってり。読みごたえのある決定本
戦術リストランテIII
西部謙司 ソル・メディア
世界中のサッカークラブのさまざまなフォーメーションや戦術を紹介しています。どのチームを目指すのか?それとも独自のシステムを作り上げるのか?
書店ナビ | サッカーファンの佐藤さんとしては、地元のクラブと同じくらい世界の名門クラブからも目が離せない。本書は海外サッカー専門誌『footballista』の人気連載を書籍化した人気シリーズです。 |
---|---|
佐藤 | 観戦初心者の方には少し難しいかもしれませんが、最強の座をめぐってしのぎを削る各クラブの戦略が詳しくわかる分析書です。 いまの時代、強いチームのフォーメーションを取り入れて「自分たちも」と思うのは当然のこと。その流れにのらず、自分たちのシステムを作るのもまた生き残り策のひとつです。代表でもクラブチームの真似をしているところが多く、やっぱり同じクラブの選手が集まっている国は強いですよね。 この「III」では、「世界的にも珍しい、広島の可変型システム」としてサンフレッチェ広島も紹介されています。 |
デザート スイーツでコースの余韻を楽しんで
J2熱狂読本
洋泉社編集部 洋泉社
2015年6月に出た本なのでチームや選手が一部入れ替わっていますが、対戦相手のことを知っていると、より観戦が楽しめます。
書店ナビ | J2の試合を応援に行ってもいまひとつ盛り上がれない要因のひとつは、対戦チームを含めて「選手を知らない」こと。 |
---|---|
佐藤 | わかります。有名選手が出てくれば両チームのサポーターから「おおおっ」と歓声が上がる一方で、いま、コンサは連勝が続いているにもかかわらず観客が目に見えて増えていないのには、きっとそういうことも関係があると思います。 なのでこの本で予習復習をして、せっかくの地元観戦をより楽しい時間に変えてください。 |
「J2の試合はJ1と違って長丁場。最終節の11月まで選手の疲労をためこまないことが肝心。今年のコンサはそれがうまくいっている気がします」
ごちそうさまトーク 創立20年の今年、J1昇格圏内に
書店ナビ | 1996年、東芝サッカー部を前身とするコンサドーレ札幌が誕生して今年で20年を迎えました。しかもその節目の年に、J1昇格の現実味が帯びてきました。 |
---|---|
佐藤 | 初めて「コンサドーレ」と聞いたとき、「道産子(どさんこ)をひっくり返しただけか!」と笑いましたが、いまではすっかりコンサが定着。20年の月日を感じます。 シーズンが終わるころには大きな喜びが待っていそうな今季、サッカー観戦はぜひ臨場感たっぷりの試合場で!地元にクラブがある喜びを皆さまに体感していただけたらうれしいです。 |
書店ナビ | 書店からコンサ選手たちに熱いエールを贈るフルコース、ごちそうさまでした! |
©2024北海道書店ナビ,ltd. All rights reserved.