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北海道書店ナビ  第114回 文教堂書店琴似駅前店

書店所在地はこちらをご覧下さい

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


JR琴似駅隣接の琴似タワープラザ1階にある文教堂書店。日中は近所の小学生から高齢者まで、夕方5時以降は駅の改札を出てそのまま立ち寄る会社員・学生層と日に二度客層が大きく入れ替わる。[2013.3.11]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=rg1jn4vdRF8]

文教堂書店琴似駅前店の佐々木豪介さんは、以前に店があった高架下から、現在地に移動した直後に入社した書店員。異動で千歳店にいた時期もあったが再び古巣に戻り、約8年の歳月を琴似で過ごしてきた。
地元のお客様とも長いおつきあいじゃないですか?と訊くと、「いつも親御さんと来ていたお子さんが気がつけば友達と一緒に来るようになったり制服姿になったりするのを、“勝手に親戚気分”で見守っています」と笑いつつ、「ご年配のお客様をはじめ地域の皆様に支えられての当店です」と感謝の言葉を口にした。

駅前という場所柄、通勤通学用の文庫や荷物になるのでできるだけ近所で買って帰りたい雑誌が売れ筋。客層の男女比にそれほど差はないが、雑誌の中でも健康や料理、NHKのテキスト関連など生活系の情報誌がよく売れるという。
その一方で、少年ジャンプはなんと道内の文教堂書店中トップの売上げを誇ると聞いて驚いた。店の一角にゲームのみを取り扱うゲオ文教堂琴似駅前店が併設しているため、小中学生が集まりやすいのだろう。「ジャンプは毎週120冊近く出て、人気連載のワンピースは新刊が出るたびに300〜400冊。他誌を圧倒するジャンプ人気です」。
また文房具コーナーは小学生からOLまで女子に人気のシールやマスキングテープなどかわいいオフィスグッズが豊富で、近隣の会社が必要とする帳票関連も揃っている。

「駅前でお客様の流れが早いため、特に話題書はできるだけ切らさず見つけやすい展開を心がけています。これからもまちの本屋さんの務めをしっかり果たしていきたいです」と話す佐々木さん。「琴似はおもしろい店が多いので雑誌の“円山特集”みたいに“琴似特集”もやってくれたら」と、いつか地元が主役になる日を待っている。
Store picture

小学生からOLまで女子に人気のシールコーナー



シール以外にもリボンやスタンプなど「カワイイ」グッズがいっぱい!



明るくて広い店内。文庫も充実!



地元小中学生が通いづめるコミックコーナー!イカ娘のポスターがお迎え。


Basic information
【  住    所  】札幌市西区琴似2条1丁目1-20
【 電 話 番 号】011-631-8421
【 営 業 時 間】8:00〜24:00
【 定  休 日  】年中無休

佐々木さんがセレクト! 3冊のおすすめ本

1)話題の達人倶楽部編集「できる大人のモノの言い方大全」(青春出版社)

ほめる、もてなす、断る、謝る、説明する、反論する…どんな状況でも覚えておけば一生使えるフレーズを完全収録。充実の内容で1050円とお買い得です。最近の傾向としてマナーや雑学、人間関係に関するジャンルはお客様の関心が高いですね。本書もすでに100冊くらい出ています。これからの時期、新社会人にもオススメです。


2)横山秀夫著「クライマーズ・ハイ」(文藝春秋)

今や警察小説の第一人者として知られる作者ですが、もとは上毛新聞の記者。御巣鷹山日航機墜落事故の取材体験をもとに練り上げた本作で新境地を開拓。堤真一主演で映画化もされました。硬派な内容ですが、社会、企業、家庭など様々な人間関係が描かれ、ページ数以上のボリューム感に圧倒されながらも一気に読める力作です。


3)奥田英朗著「イン・ザ・プール」(文藝春秋)

「装丁が魅力的な本」というお題だったので、赤ちゃんがプールの中に浮かぶかわいらしい表紙のイメージとかなりかけ離れた内容が印象的だった本書を選びました。主人公のトンデモ精神科医伊良部と患者たちが織りなすトンデモストーリー。さまざまな「現代病」に悩む患者たちの姿を通じて笑いと癒しを与えてくれます。ちなみに表紙の赤ちゃんは精神科医伊良部シリーズ「空中ブランコ」「町長選挙」の表紙にも登場します。

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