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北海道書店ナビ 第42回 喜久屋書店小樽店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?

場所はJR小樽築港駅直結ウイングベイ小樽5番街の2階。 900坪という驚きの広さと100万冊近い品揃えは、道央圏でもトップクラスの大型書店だ。店のベンチにくつろぎながらページをめくる常連客の後ろには青い海が広がっていた。[2011.8.29]

ウイングベイ小樽に入る喜久屋書店小樽店は、神戸に本社を持つ同社が展開する道内唯一の直営店。小樽築港に面した海側店舗の向かい側には、ショッピングモールのメイン通路をはさんで、雑誌やコミックが中心の漫画館が続く。この900坪の広大な店舗を任されている久原栄二店長に案内していただいた。

「当店の自慢はやはりなんといっても100万冊近くの豊富な品揃えです。人気コミックの最新刊から介護関連の専門書まで“いつでも欲しい本が見つかる”という書店の使命をこれからもしっかりと果たしていきたいです」

広い店内には「お客様が探し疲れないように」とベンチがいくつも設置され、木製の書棚に周囲を囲まれてゆったりとくつろぐさまは、まるで図書館にいるかのような居心地の良さを感じさせる。

小樽築港側に面した壁の一部には、書店には珍しく大きなガラス窓があり、目の前に青い海が広がっている。この<海のまち>ならではの豊かな景観も、常連客が通いづめる理由の一つに違いない。

検索機は置かず、海側と山側の店内どちらにもあるレジカウンターがそのままインフォメーション役を兼務する。「直接お客様と対面することで見えてくる情報もありますし、当店に親しみを持っていただけるきっかけになれば」と久原店長。

ちなみに店長ご自身の読書スタイルを尋ねると、「つねに本を携帯したい派。一人で居酒屋に行くときも持っていきます」。自ら新しい本との出会いを楽しみながら、ここ喜久屋書店小樽店の広大な本の海をお客様や30名のスタッフと一緒に泳いでいく。

久原店長がセレクト!3冊のおすすめ本

1)川島小鳥著「未来ちゃん」(ナナロク社)
佐渡島に住む“未来ちゃん”の春夏秋冬を撮ったかわいい写真集です。社会に毒されていない無垢な雰囲気に、見ている側も心が洗われます。出版されたと同時に自分でも買い、翌日には職場で「これ、すごくいいから」と薦めていました。出版元のナナロク社さんによると続編はなく、これ一冊で完結とのこと。“未来ちゃん”にとって生涯ただ一度きりの大切な時間が刻まれた写真集でもあります。
2)宮崎克原作・吉本浩二漫画「ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜」(秋田書店)
手塚治虫は神様ではなかった。いや、やはり人の形をした神様だった―。かつての担当編集者たちの証言をもとに知られざる実像が明らかになります。私たちのイメージではベレー帽姿のやさしい手塚先生ですが、その実、アニメ制作会社が倒産したり、若手に強烈なライバル意識を持ったりと、人間・手塚治虫の苦悩に満ちた生き様に深い感動を覚えるノンフィクション・コミックです。
3)車谷長吉著「車谷長吉全集」(新書館)
天金(てんきん:上方の小口に金箔貼りしたもの)・貼函入。私が個人的にも尊敬する作家の初の個人全集です。私小説の鬼、とも言われる車谷先生らしく、全集第二巻には好きな女性に宛てた「恋文絵」95点を収録。全集の装画も作者自身が手がけています。これまで出ている単行本未収録の作品も数多い、貴重な全集です。

週間売筋ランキング 対象期間 平成23年8月22日〜8月28日

文庫
第1位:「神様のカルテ」 夏川草介 著 (小学館)
第2位:「「いいこと」がいっぱい起こる!ブッダの言葉」 植西聡 著  (三笠書房)
第3位:「心星ひとつ」 高田郁 著 角川春樹事務所)
文芸書
第1位:「心を整える」 長谷部誠 著 (幻冬舎)
第2位:「謎解きはディナーのあとで」 東川篤哉 著 (小学館)
第3位:「下町ロケット」 池井戸潤 著 (小学館)
ビジネス書
第1位:「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」 福島文ニ郎 著 (中経出版)
第2位:「死ぬまで仕事に困らないために20代で出逢っておきたい100の言葉」 千田琢哉  著 (かんき出版)
第3位:「「日本中枢の崩壊」 古賀茂明 著 (講談社)

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