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北海道書店ナビ  第82回 アシーネ琴似店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


地下鉄東西線「琴似駅」直結ダイエー琴似店の3階にあるアシーネ琴似店。田中克明店長とスタッフ4人で店をまわしている。フロアの共有通路を挟んで続く売り場は合計約100坪。什器の間隔が広い店内を常連客がゆっくりと見てまわる。【2012.6.25】

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=PnO98aI9lhg]

琴似といえば札幌でも歴史のある街として知られている。7月下旬に刊行される写真集『札幌市の昭和』(いき出版)の中でも懐かしい琴似の街並みが紹介されている。写真集の推薦者であるアシーネ琴似店田中克明店長のお話によると、約1万円という高価格から発売元は販促に「相当力を入れている」とのこと。同店にも収録内容から琴似の風景を抜粋した“ご当地パネル”が配られ、来店者の視線を集めている。「地元に長くお住まいのお客様が目をとめてくださるかも」と田中店長も期待を寄せ、8月15日の終戦記念日まで他の昭和関連本とあわせて展開していくという。

昭和の往事からすっかり様変わりした現在の琴似だが、書店を舞台にしたお客様と書店員の交流は今も変わらない。アシーネ琴似店の絵本コーナーには一冊ずつ丁寧な手書きポップが添えられ、「うちの財産です」と田中店長も認める担当者の熱意が伝わってくる。

またアシーネでは常時「バーゲンブックフェア」を開催中。出版社の倉庫に眠っていた既刊本を非再販本として取り扱っている。未使用の新本バーゲンセールなので掘り出しものを見つけるチャンス! 来店時にはぜひチェックしてほしい。

最後に田中店長に書店員のやりがいを尋ねたところ、「誰よりも真っ先に新刊と出会えるところです」と即答してくれた。出版社から届く新刊の束をひもとく瞬間は「レコードのターンテーブルに針を落とすときのドキドキと同じ」。書店員の特権を存分に味わいながら、お客様と読書の楽しみを分かち合う。
Store picture

主婦の味方『クロワッサン』と『オレンジページ』は季節を問わないロングセラー。


Basic information

【  名    称  】アシーネ琴似店
【  住    所  】札幌市西区琴似2条4-2-2ダイエー琴似店3F
【 電 話 番 号】011-644-9708
【 営 業 時 間】9:00〜22:00
【 定  休 日  】年中無休


田中店長がセレクト!3冊のおすすめ本

1)千田琢哉著「20代の心構えが奇跡を生む」(かんき出版)

イノベーション・クリエーター千田琢哉さんの著作はどれもオススメですが、こちらはそのCD付き最新刊。職場で成長したいと思う方にぜひ読んでほしい一冊です。タイトルにある20代に限らず、いくつになっても読めばハッとさせられるキレのいい警句が満載です。私が個人的にもファンであることから、当店では千田コーナーを設けています。


2)森博嗣著「すベてがFになる」(講談社)

1998年初版の作品ですが、今読み直しても面白い!記念すべき第1回メフィスト賞受賞作。時代を先読みするかのようにいち早くコンピュータを取り扱った究極の謎解きミステリー。コンピュータに残されたメッセージに助教授とお嬢様学生のコンビが挑みます。文系の人間は少しとっつきづらいかもしれませんが、読み進めていく価値は充分あります。「F」の謎とは一体何なのか。すべてに得心がいく結末が待っています。


魅力的な装丁本)村山由佳著「ダンス・ウィズ・ドラゴン」(幻冬舎)

近年はコミックタッチの表紙が氾濫する中、圧倒的な存在感を放つ本作です。同じ幻冬舎から出ている前作「アダルト・エデュケーション」の“赤”に対し、旧家に育った血のつながらない兄妹の愛情を描いたこちらは“青”。芸術作品のようなたたずまいに引き寄せられます。

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