pooolを経営する株式会社CO&CO取締役の西尾理恵子さんにお話をうかがった。「おすすめの一冊」は3才の娘さんと一緒に読んでいる『しあわせのバケツ』をピックアップ!
[2021.8.30]
「弊社が入っているビルの1階に書店がオープンしました」
札幌の出版社、柏櫓舎(はくろしゃ)さんのFacebookに気になる投稿が上がってきたのは2021年8月10日のことだった。
柏櫓舎さんが入るビルは確か、札幌市中央区北2条西3丁目のタケサトビル。一階ということは以前、紳士服店が入っていた場所だ。早速取材にうかがった。
営業時間は9時から22時まで(緊急事態宣言・まん延防止等重点措置期間中は20時まで。変更の可能性もあるのでご利用の際はInstagramで確認を)。
ドリンクメニューの「アメリカーノ」はブレンド・シングルオリジンの5種類の豆をラインナップ(シングルオリジンはプラス100円)。シングルオリジンの現在のテーマは「東南アジア」。4カ月ごとに世界各地の豆を楽しめる。「カフェラテ」はマイルドブレンド・ダークブレンドの2種類を提供。
奥のソファゾーンはコワーキングスペース(現在は無料開放中)。カラフルな壁画はNikeやFacebookともコラボレーションをしている鎌倉在住のアーティストKeeenue(キーニュ)さんが描き下ろした。
「poool」(プール)の経営会社は同ビルの2階で有料会員専用のコミュニティラウンジを運営する株式会社CO&CO。2012年に日本語学校を開校し、2016年からコミュニティラウンジを併設。会員向けに「旅」をコンセプトにした書店「トリップブックス」も展開しているという。
京都にも同様の拠点を構えるが、一般のお客様を迎えるブックカフェ&コワーキングスペースは札幌の「poool」が初めて。
「在宅ワークが増える中、“会員制コワーキングスペースを使うまででもない、でも自宅だけが仕事場というのも刺激がない”という方にぜひ使っていただきたいです」と、CO&CO取締役の西尾理恵子さんは語る。
「集中できる空間」を意識した内装デザイン。取材当日もカウンター席でPCに向かう姿を見かけた。
天井からの装花が目を引くブックエリアはジャンル別の棚で構成。「INNOVATION」「COMMUNITY」「DIVERSITY」「GLOCAL」「SUSTAINABILITY」といった今の時代を映すキーワードが並んでいる。
本のセレクトも担当した西尾さんに引き続き、解説していただいた。
“花の彫刻”とも言いたくなるような巨大な装花は札幌円山のGANON FLORISTによるもの。「だんだんとドライフラワーになっていく変化も楽しめます」
「棚のジャンルはINNOVATIONをはじめ、どれも当社が創業以来大切にしてきたキーワードです。目標に対して70%、80%のところであきらめずに皆で120%を目指したところから生まれるものをこれからも大切にしていきたいです」
「GLOCAL」の棚には北海道関連の本も置いてある。「同じビルにいらっしゃる柏櫓舎さんの本もこれから取り揃えたいと考えています」
特に頭を悩ませた「PEACE」の棚は「手に取りやすさ」を考えて児童書や絵本をセレクト。「難民や戦争のことなど、大人だけでなくこどもたちにも知ってもらいたい本を選びました」
店名の「poool」は、「貯える・貯まる」の英語poolに小文字のoを一つ足して「さまざまな業種の方が集い、互いにインスピレーションを与えあえる場」を表現。
逆から読むと「輪を作る」意味のloopになり、そこもoが一つ多い分、一つの輪で完結せずに外に飛び出していく広がりをイメージした。
少し息苦しい現在の日常に新たなサードプレイスになってくれそうな「poool」。全面ガラス張りの入口はあなたのためにも開かれている。
書籍はドリンク同様カウンターで精算。席に持って行って試し読みもできる。
ビビッドな2色のショップカード。オリジナルのキャップやパーカーも発売中。
※コロナ対策などの最新情報を下記公式サイトでお確かめのうえ、ご利用ください。
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