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北海道書店ナビ 第39回 東京堂書店 北24条店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?

“北大通り”を麻生方面に向かって北24条まで進むと、左側に知る人ぞ知る老舗の店が2軒並ぶ。和菓子店「一力」と、ここ、東京堂書店北24条店だ。戦後からの創業が平成の今に続く。その理由は「医学書」にあった。[2011.8.8]

東京堂書店北24条店 東屋敷絵理奈さん



店舗は約60坪。一見するとまちの小さな本屋さんだが、階段を上がった先には医学専門書がズラリと並ぶ。そう、実はこの東京堂書店は創業から医書を取り扱う専門店でもあったのだ。道内で「医学書専門店認定証」を掲げている書店はここと、函館にもう一店舗あるのみだという。現在11人いるスタッフ中、医学書の外商専門に3人が活躍。道内の医療従事者から厚い信頼を集めている。2階を占める医書の棚はそのまま在庫管理も兼ねている、というわけだ。




店の売上は医書に頼る同店だが、一階は一般客を相手にする普通の本屋さんだ。勤務2年目の東屋敷絵理奈さんに紹介してもらった。「お客様の大半が北24条界隈の常連客さんです」。定期購読の本を取りにきた常連客にどれを渡していいか迷った東屋敷さんが、「新人さんだね」と言われたというのも、うなずける話である。




幼い頃は北区で暮らし、自らも東京堂書店に足を運んでいたという東屋敷さん。司書の資格を持つが“狭き門”にはばまれ、「少しでも本に近いところで働きたい」と求人誌で見つけた同店に応募した。

「お客様にとってどこよりも身近で頼れる書店でいたい。まごころをこめた接客を心がけています!」と笑顔を見せる。東屋敷さんのアイデアで、昨年から子どもたちへのぬり絵配布を始めた。「貼られるのを楽しみにしている子もいて、定着すると嬉しいです」。




現在、店では初めての「スタッフ11人のオススメ本」フェアを開催中。各自が考えたポップで「これぞ」と思う本を紹介する。




コロコロコミックの発売日には、その昔幼い東屋敷さんが通ったように少年たちがやってくる。「レジでお財布の中身を全部出してくれるんですが、たまに足りないことも(笑)」。そんなときは「ちゃんと取っておくから、おうちに帰ってもらっておいで」とやさしく見守る。この温もりのある接客も、東京堂書店が老舗であり続ける理由の一つに違いない。
毎月子どもたちに無料のぬり絵を配布。持ってきてもらうとお礼にキャンディーをプレゼント!

スタッフの「オススメ本」フェア。東屋敷さんはお笑いコンビ「ピース」の本をプッシュ。

東屋敷さんがセレクト!3冊のおすすめ本

1)「ニッポンの嵐 ポケット版」(M.Co.)
「ニッポンを再発見する。」をテーマに国民的アイドルグループ嵐の5人が日本の各地を旅した記録です。もともと全国の小中学校の学習用にと寄贈の目的で作られた書籍ですので、子どもさんの読書にも適しています。本書における発行元収益のすべては東日本大震災の復興支援のために寄付されます。ファンではない方にもおすすめです。
2)「ORANGE PAGE BOOKS 創刊25周年記念BESTムックシリーズ」(オレンジページ)
昨年6月発行のvol.1から今年7月発行のvol.10まで出ているムック本です。過去25年間に渡ってオレンジページに掲載されたお料理・健康・お掃除などの生活情報をよりすぐって再編集。主婦のみなさん必読の内容です。どの号も当店では長く売れ続けているので、在庫を切らさないように気をつけています。
3)ユ・テウン著、木坂涼訳「きんぎょ」(セーラー出版)
絵本雑誌「MOE」で紹介されたときから気になっていた絵本でした。木綿のような少し凹凸のある真っ赤なカバーが目印。窓から見える一匹の金魚に目を奪われます。中を開くとセピアカラーと赤の対比が美しくて、大人にも十分楽しんでいただける一冊です。

フェア情報

東京堂書店プレゼンツ ジャンルを超えた!スタッフ11人のお気に入り本 開催中〜平成23年9月15日迄
当店スタッフ11名が各々お客様にオススメしたい本をもちより、各自手書きのPOPで飾ってみました。実用書、コミック、文庫などあえてジャンルを限定せず本当のオススメ本を見に来ていただきたいと思っております。

週間売筋ランキング 対象期間 平成23年7月27日〜8月3日

文庫
第1位:「一矢の秋」 佐伯泰英 著 (双葉社)
第2位:「別冊図書館戦争 1」 有川浩 著  (角川書店)
第3位:「バカとテストと召還獣9.5」 井上堅ニ 著 (エンターブレイン)
文芸書
第1位:「真夏の方程式」 東野圭吾 著 (文藝春秋)
第2位:「心を整える」 長谷部誠 著 (幻冬舎)
第3位:「囮物語」 西尾維新 著 (講談社)
ビジネス書
第1位:「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」 福島文ニ郎 著 (中経出版)
第2位:「誰からも「気がきく」と言われる45の習慣」 能町光香 著 (クロスメディア)
第3位:「「震災大不況」にダマされるな!」 三橋貴明 著 (徳間書店)
趣味生活書
第1位:「人生がときめく片づけの魔法」 近藤麻理恵 著 (サンマーク出版)
第2位:「札幌かわいいお店めぐり」  カルチャーランド著 (メイツ出版)
第3位:「なぜ「これ」は健康にいいのか」  小林弘幸 著 (サンマーク出版)
児童書
第1位:「はらぺこあおむし」 エリック・カール著 (偕成社)
第2位:「ポケモンベストウィッシュずかん」 ジャングル・ファクトリー著 (小学館/コロタン文庫215番)
第3位:「みっけ!(アンパンマンのいないいないばあ)」 やなせたかし著 (フレーベル館)

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