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北海道書店ナビ  第159回 MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店の4階は児童書と学参、そして今回の主役であるコミックのフロア。メガヒット作品の新刊だけならばコンビニでも手に入るが、本当に読みたい一冊はやはり専門書店に行かないと。そんなコアな欲求に応えてくれる品揃えが30代、40代の客層に受けている。[2014.2.3]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=43yZxA71sjI]

札幌の大通にあるMARUZEN&ジュンク堂書店のコミックの棚を案内してくれたのは4階のフロア長を務める吉田恵さん。札幌出身で、首都圏の大学から4年前に同社に入った新卒採用組。「いつか北海道に戻ってきたい」と思っていた希望どおり札幌店に配属され、プライベートでも「大好き!」というコミック担当として腕を振るっている。
「好きで手に取るのは少女マンガ、吉住渉さんの『ママレードボーイ』や羽海野チカさんの『ハチミツとクローバー』ですが、当店のメインで売れているのは少年・青年マンガ。興味を広げて幅広いジャンルを読むように心がけています」。
2013年の夏に札幌芸術の森で開かれた「ほっかいどう大マンガ展」にも足を運び、道産子作家の原画に感動したという勉強熱心な吉田さん。アニメ化・舞台化が起爆剤となる昨今のコミック市場を踏まえて「コミック原作のアニメが始まったら必ず第一話をチェック」するのも趣味と実益を兼ねた大切な時間。「今は“中の人”である声優さんの特集によってもアニメ誌の売上が変わるのでアンテナを張り巡らせています」。

店舗のある南1条西1丁目界隈はアニメイト札幌が近くにあり、フロアにもさぞ若いアニメ&コミックファンが多いのかと思いきや、かえって“そちらには入りづらいような30代、40代”がメイン層。「アニメ化などの売れ筋をしっかりと置く一方で、サブカル系やアメコミなどのマニアックな作品もかなりの数を常備しています。出版社でいうと青林工藝舎や太田出版系。一年に数冊しか売れなくても、うちにならあると思ってご来店されるお客様の期待に応えたいので欠かすことはできません」。無惨絵など独自の画風で根強いファンを持つ丸尾末広作品が隠れたロングセラーというところも客層の深さを物語っている。
雑誌・文庫と並んで書店の売上トップ3を構成するコミックでいかに他店との差別化をはかり、お客を引きつけるか。若い吉田さんの熱意とアイデアがこれからどんな棚を見せてくれるのか楽しみだ。
Store picture



各担当者の推しコミックが一目でわかる注目本コーナー



マニアックな作家の作品がいつでも買えるサブカルコーナー


Basic information

【  住    所  】札幌市中央区南1条西1丁目8−2 丸井今井南館B2~4F
【 電 話 番 号】011-223-1911
【 営 業 時 間】B2〜4F書籍売場 10時〜21時 5F文具売場は 10時〜20時 (日曜日は10時〜19時半)
【 定  休 日  】年中無休


MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店のフェア情報

「バレンタインチョコレート」フェア 開催中~2月14日迄
丸井今井札幌本店で好評開催中の「サロン・デュ・ショコラ」に出店中のパティシエ書籍を中心に、中級以上のチョコレートと焼き菓子のレシピを集めました!!アマチュアからプロを目指す本格派レシピをこの機会に是非お試しくださいませ。
「冬はお家でぬくぬく手作り」フェア 開催中~2014年3月1日
寒い冬。せめてお家では暖かく楽しく過ごしたい!そんな方にイチオシのフェア。自宅のオーブンで出来る、「オーブン陶芸」や「彫金」「プチステンドグラス」などなど手工芸の本が盛りだくさん!!編み物以外の冬の楽しみを見つけて下さい!!

文芸書担当菊地さんがセレクト! 3冊のおすすめ本

1)小山田浩子著「穴」(新潮社)

言わずもがなの第150回芥川賞受賞作。仕事を辞め、夫の実家の隣に身を寄せる事になった私の奇妙な日常を描く。近くにいながらも奇妙な距離感のある夫の家族と、近所の住人。見たことのない黒い動物に、町に点在する奇妙な穴。緊密な文体の先に忽然と現れる異界に思わず引き込まれる事必至!前作「工場」もイチ推し!!


2)ヘンリー・ソロー著、H・G・O・ブレーク編集『ソロー日記 春』(彩流社)

『森の生活』で著名な作家ヘンリー・ソロー。彼と親交のあったブレークによって編纂された本書は、2月24日から4月11日までの日記を収録した春編。体制を拒否し、終生、自然と寄り添う事で紡がれた言葉は示唆に富み、説得力がある。ガンやシジュウカラ、ユキノシタなど日本でもなじみのある動植物の名前に親近感を覚えつつ、芽吹く春を一足早く体感するのも、また一興。


3)堀江敏幸著『戸惑う窓』(中央公論新社)

芥川賞作家堀江敏幸によるエッセイ集。全25篇で取り上げられているのは、画家ワイエスや詩人尾形亀之助のいずれも「窓」で切り取られた静謐な世界。戦前を代表する写真家高山正隆の一見、エッチングの様にも思えるソフトフォーカスで写し出された作品は、エッセイの世界観とも相まって窓の向こうの世界を想起させる一冊に仕上がっている。


週間売筋ランキング 対象期間平成25年1月18日~1月24日

文庫

第1位:「ビブリア古書堂の事件手帖5」 見上延 著(アスキー・メディアワークス)
第2位:「永遠の〇」 百田尚樹 著(講談社)
第3位:「幸福な生活」 百田尚樹 著(祥伝社)


文芸書

第1位:「面倒だから、しよう」 渡辺和子 著(幻冬舎)
第2位:「これでいいのか北海道札幌市第2弾」 上岡哲次 著(マイクロマガジン社)
第3位:「人生はニャンとかなる!」 水野敬也 著(文響社)


ビジネス書

第1位:「まんがでわかる7つの習慣 」 小山鹿梨子 著(宝島社)
第2位:「伝え方が9割」 佐々木圭一 著(ダイヤモンド社)
第3位:「ゼロ~なにもない自分に小さなイチを足していく」 堀江貴文 著(ダイヤモンド社)


趣味生活書

第1位:「長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい 」 鬼木豊監修 (アスコム)
第2位:「毎日がときめく片付けの魔法」 近藤麻理恵 著(サンマーク出版)
第3位::「ズボラでも血糖値がみるみる下がる57の方法 」 板倉弘重 著(アスコム)


児童書

第1位:「ノンタンおやすみなさい 」 おおともやすおみ 著(偕成社)
第2位:「どんぐりむらのどんぐりえん」 なかやみわ 著 (学研教育出版)
第3位:「人生、90歳からおもしろい!」 やなせたかし 著 (フレーベル館)

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