心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?
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喜久屋書店/BOOKJAM西岡店パートチーフの渡部睦子さんにお話をうかがった。
「店の客層は60代以上のシニア層。新刊やメディアで紹介された話題本も、“ちょっとくらいなら入荷してくるのを待つよ”と言ってくださるおなじみさんばかりです」
売れ筋ジャンルは健康や教養系。人気雑誌を見ても「クロワッサン」や「ゆほびか」「わかさ」、NHKテキスト系のほか、「文藝春秋」「週刊新潮」などの息の長い総合情報誌が売れている。
取材当日も70代だろうか、女性客が棚を整理している渡部さんに声をかけてきた。ひとしきり話し込んだ接客が終わり、女性客が去ったあとで問い合わせの内容を聞いてみると、「いわゆる“エンディングノート”をお探しでした。当店にも数冊置いていますが、もう少し小ぶりのものをご希望だったようです」。
この女性客に限らず、シニア層は自力で探すよりも書店員を頼りにする傾向が高い。ときには書名もはっきりしないような問い合わせに対しても「親切丁寧、明るい接客」でお客様に親しみを持ってもらえる店づくりがまたの来店につながっている。
主人公の詐欺師を阿部寛が演じた映画化の原作本。登場人物が全員つらい過去を抱えている、いたたまれない設定ですが、最後の最後に感動の逆転劇が!読後あたたかい気持ちにさせてくれる満足度の高い一冊です。作者の名前は知っていてもなんとなく手が伸びなかった道尾作品の初読みでしたが、思った以上に面白かった。こういう本との出会いが読書の面白さですね。
2010年の全国高等学校デザイン選手権大会(通称デザセン)で第3位に輝いた無料アプリの書籍版です。作ったのは札幌の平岸高校の生徒さんたち。娘が平岸高校OGなのでつい肩入れしたくなって店のあちこちに置いています。ネガティブな単語をポジティブな単語に変換、くすっと笑えて前向きになれる面白さが詰まっています。私のお気に入りは「悪趣味→自分の世界を持っている」です。
1979年に出版された古書で恐縮ですが、装丁にひとめぼれして買いました。八丈島の伝統的な織物である黄八丈の表紙に、本文は縦長・右肩上がりが特徴の格調高いフォント宗朝体で印刷。和綴じを模したデザインも効いていて、八丈島にそそぐ著者の愛情が装丁の細部にまで行き届いた美本です。もし古書店や古本市などで見かけたら、迷わずご購入をおすすめします。©2025北海道書店ナビ,ltd. All rights reserved.