北海道書店ナビ　 第100回　文教堂書店新琴似店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか？

札幌北区の新琴似通沿いにある文教堂書店新琴似店は、ダイエーなどインショップの書店がある麻生と新川通コーチャンフォーのほぼ中間地点に立つ。遠出したくない冬場にこそ「近所にあってよかった」威力が発揮されそうだ。【2012.11.29】

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=G9hymtCGZfc]

案内役を務めてくれたのは店長代理の山本和則さん。本の岩本時代から数えると勤務歴17年。以前は北野店勤務で、取材の約1カ月前にこの新琴似店に異動してきたという。
「北野と新琴似、どちらも高齢者中心の客層や、午前と夕方5時以降に混む人の流れなどおおまかな店の雰囲気は同じ。書店通いを日課にしているご年配の方が開店と同時に入ってこられる朝の風景も同じです（笑）」

地域性は出せそうですか？という質問には「10月から年末年始にかけて書店はどこもカレンダーとダイアリー商戦ですので、これらが落ちついてから新琴似らしい色を出していけたらと思っています」と話す。

建物の2階には同じく文教堂書店が経営するリサイクル本の買取販売「ecoBook」がある。「ecoBook」コーナーを置く姉妹店は他にもあるが、新刊とは別のレジを設けて専門店の看板を掲げているのはこの新琴似店のみ。

1階の書店では雑誌の最新号やすぐに読みたい文庫を買い、2階の「ecoBook」で前から気になっていた本や大人買いしたい傑作を探すなど、かしこい買い分け術でお財布にやさしい読書ライフが過ごせそうだ。

Store picture

Basic information

【  住    所  】札幌市北区新琴似５条６丁目２−２１
【 電 話 番 号】011-765-7811
【 営 業 時 間】10:00〜22:00
【 定  休 日  】年中無休

山本さんがセレクト！3冊のおすすめ本

1）栗城史多著「一歩を越える勇気」（サンマーク出版）

著者の栗城さんは北海道出身の若き登山家。気どらない文章になんだか自分も一緒に登山しているような気になり、一気に読み切りました。今年10月にアタックしたエベレスト登頂は非常に残念な結果となりましたが、年齢に関係なく尊敬できる人間がいることをあらためて実感しました。中高年にこそ読んでほしい一冊です。

2）栗山英樹著「覚悟 理論派新人監督は、なぜ理論を捨てたのか」（KKベストセラーズ）

タイトルの「覚悟」がすべてを物語っている日ハム栗山監督の備忘録。「監督経験がない監督なんて使いものになるのか」というみんなが思っていた疑問に対して彼がどう答えを出していったかが赤裸々に綴られています。栗山さんのファイターズ愛には、感動の一言。読んだあと、これまで以上に好きになりました。

魅力的な装丁本）有川浩著「ヒア・カムズ・ザ・サン」（新潮社）

最近は白い表紙が多く、白地に文字を重ねてタイトルで見せるのもひとつの方法だと思いますが、太陽にむかって手を伸ばす——本書のように希望を抱かせる表紙には無条件にひきつけられます。内容も＜たった7行のあらすじから違う2つの物語を描き出す＞という非常に意欲的な作品です。