北海道書店ナビ

北海道書店ナビ  第83回 喜久屋書店/BOOK JAMソシア店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


石山通沿いのコープさっぽろソシア本館2階にある喜久屋書店。昨年10月の改装後約100坪に拡大され、取扱本が増えた嬉しい忙しさに追われている。店の各所に企画テーブルも設置し、変化のある売り場づくりが進んでいる。【2012.7.2】

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=l4ncce_qmrA]

取材の応対をしてくれた書店員の吉田めぐみさんは勤務9年目。「本屋で働きたい」という夢をここ喜久屋書店で実現した。受け持ちは児童書から始まり、個人的にも大好きだというコミック、文庫を経て、今は実用書とコミックの両方を担当する。
昨年の10月21日、店は改装して広さが倍の100坪に拡大された。広くなった分、吉田さんが受け持つ実用書やコミックの取扱い冊数も増えた。「大変だけどたくさん置けるようになったのは嬉しい。児童書の棚も充実して、改装後はお子様連れのお客様が増えたように感じます」。

「お客様との距離が近い接客を大切にしたい」とも語る吉田さん、以前こんなエピソードがあった。娘から“雑誌のおつかい”を頼まれた母親が困り顔でレジにやってきた。覚えているのは表紙が東方神起で、付録にペンケースが付いていること(「娘さんはそれが欲しかったそうです」)の二つだけ。該当する雑誌が多すぎるうえにしかも当時は最新号に切り替わったばかりのバッドタイミング。
それでも吉田さんは一誌ずつ調べていき、とうとうそれが20代の女性に人気のファッション誌『Ray』であることを突き止めた。母親は大喜びで取り寄せを頼み、安堵の表情で帰っていったという。

そんな吉田さんの丁寧な接客はお客様も認めるところであり、定期購読や取り寄せの場面では「またお願いね!」の一言が聞こえてくる。売り場が増え、選りすぐりのおすすめ本を面陳する企画テーブルの場所も増えた。書店の腕の見せどころに、吉田さんたちのさらなる活躍が期待されている。
Store picture

昨年10月の改装から増設されたコミック・児童書・実用書スペース。



レジ前など企画テーブルを置くスペースも広がった。


Basic information
【  住    所  】札幌市南区川沿5条2丁目3−10
【 電 話 番 号】011-571-1303
【 営 業 時 間】10:00〜21:00
【 定  休 日  】年中無休

吉田さんがセレクト!3冊のおすすめ本

1)「コミックふるさと 北海道」(マガジンハウス)
北海道出身の漫画家さん12名が描くアンソロジー。北海道の魅力がたっぷり詰まったコミックです。道産子にとっては「そうそう!」と懐かしく感じるところや「え、そうだったの?」と驚く新発見もあり最後まで楽しめました。おすすめです!
2)湊かなえ著「告白」(双葉社)
当店では女性作家の文庫本がよく動き、特にミステリーものは女性のお客様に好評です。『告白』『少女』『贖罪』と次々と読み応えのある作品を発表する湊かなえさんも人気作家の一人。本作はデビュー作であり、映画化されたのは皆さんご存知のとおりです。ちなみに本作同様、沼田まほかるさん著『九月が永遠に続けば』(新潮社)もよく動きました。
魅力的な装丁本)三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖3 〜栞子さんと消えない絆〜」(アスキー・メディアワークス)
美しいヒロイン栞子さんがたたずむ表紙に思わず手を伸ばすお客様が多数!1巻目を読んだときから「当店のお客様が好きそうだな」と思い、できるだけ切らさないようにしています。ティーン向けのライトノベルっぽい印象がありますが、ご年配のお客様にも愛読者が多く「おもしろいよね」と口々におっしゃっています。6月に3巻が出たばかりなのでまた新たなファンを増やしそうですね。

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