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北海道書店ナビ  第81回 文教堂書店札幌すすきの店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


札幌すすきのエリアで書店を探すとしたら真っ先にここを紹介したい。メインストリートの交差点角に立つファッションビル「ススキノ ラフィラ」5階の文教堂書店。品揃えも豊富で、すすきのならではの売れ筋もあるという。さてその売れ筋とは?【2012.6.18】

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=C0KU0oKVNFI]

すすきのにある文教堂書店ではどんな本が売れているのだろうか。書店員の高橋志乃さんに話を聞いた。「文庫や雑誌については他店さんと変わらないと思います。日中のお客様はご高齢の方や主婦層が中心ですので、文庫は新刊や時代物、雑誌は女性誌、『オッジ』や『クロワッサン』がよく出ます。毎月、紙袋3つ分くらいの最新号をお求めになる美容室さんのように常連さんもいらっしゃいます」。

客層に〈すすきの色〉が出始めるのは夕方になってから。売れ筋コミックにも土地柄が反映され、『新宿スワン』や『カイジ』『闇金ウシジマくん』『WORST』、新書判になった『特攻の拓』など、「少女漫画よりも少年漫画、青年誌の連載ものが人気です」。

さらにサブカルチャーの棚に目を向けると、どの表紙にも「ホスト」「ホステス」「キャバ嬢」「銀座」「新宿」「No.1」などの夜のキーワードが含まれ、歓楽街を生き抜くための指南書やサクセス本が並んでいる。文教堂書店の姉妹店の中でもこの札幌すすきの店が最も売上を伸ばしているジャンルであり、心理本や血液型本とあわせて今も継続的に売れているという。

「あとこれはお客様へのプレゼントだと思いますが、366日ごとに誕生日の言葉や性格、運勢などが書いてある『マイ・バースデー・ブック』を一度に何冊もお買い上げいただくこともあります」。
接客術を磨き、ぬかりなくおもてなしの準備をする。本という媒体から〈日本三大歓楽街〉の一つといわれるすすきのの舞台裏をほんの少し垣間みた気がする。

こうした土地柄を踏まえつつ店構え自体は「お客様の欲しい一冊」を提供する文教堂書店であることに変わりはない。「積極的な商品発注や雑誌の定期改正を行い、一冊でも多くの商品をご紹介できるよう努めています。お探しの本がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください」。
Store picture

「土地柄から『新宿スワン』などのマンガが人気。一方で普通の文庫のニーズも高いです」と高橋さん


Basic information
【  名    称  】文教堂書店札幌すすきの店
【  住    所  】札幌市中央区南四条西4-1ススキノ ラフィラ5F
【 電 話 番 号】011-520-3661
【 営 業 時 間】10:00〜21:00
【 定  休 日  】年中無休

高橋さんがセレクト!3冊のおすすめ本

1)SHIRONEKO著「のせ猫」(宝島社)
NHKの人気番組『サラリーマンNEO シーズン6』のオープニングで放映されて以来、一躍人気者になった「のせ猫」たちの写真集。とにかくかわいい!かしこい!癒されます。「お見舞い本に」と買っていかれるお客様もいらっしゃいました。ちなみに当店では「犬本」よりも「ねこ本」が人気のようです。
2)伊藤比呂美著「とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起」(講談社)
母親の介護のためにアメリカと日本を往復し、10代の娘は摂食障害…生きるということはたくさんのハードルにぶつかり、それを乗り越えていくこと…詩人伊藤比呂美であるからこそ伝わってくる息づかいのエッセイ集です。
魅力的な装丁本)あかね著「No.1キャバ嬢の誰とでも楽しく話せる技術」(こう書房)
当店の売れ筋ジャンルの中でも特に人気のある1冊です。作者は10代のころから夜の世界で働く現役キャバ嬢のあかねさん。サブタイトルにあるように「プロが使っている“愛されるおしゃべり”」がわかりやすく紹介されています。表紙で打ち出したキラキラ感がページデザインにも表れていて、「楽しく話す」というこの本のテーマを演出しています。

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