北海道書店ナビ

第446回 ニュース&新刊紹介

「つながる」をキーワードに地元でさまざまなコラボ企画を展開している滝川市立図書館。

[ニュース&新刊紹介]
亜璃西社が滝川市立図書館に寄贈&雑誌「地域人」本屋特集

[2019.10.14]

「北の出版人」トークをきっかけに寄贈&コーナーを作成

今週の北海道書店ナビはニュース&新刊紹介編。

人口約4万人のまち、滝川の市立図書館は、いま道内でもっとも元気な図書館のひとつである。行政の他部署や医療施設、学校等との連携企画を活発に行っている。

[イベントレポート] 全国の図書館関係者が夏の札幌に集合! 分かちあい、つながる北海道図書館研究会レポート

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2019年7月13日には札幌市内の出版社7社を呼んだトークイベント「北の出版人・北の本~どさんこ出版人たちの熱き想い~」を開催。これがきっかけとなり、今年9月には亜璃西社から約10万円相当の出版物が同館に寄贈された。

[イベントレポート] 札幌の出版社7社が語る! 滝川市立図書館連携企画「北の出版人」出張トーク

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喜んだ深村清美館長たちは9月27日から〈亜璃西社〉コーナーを設置。道内でも珍しい図書館と出版社のコラボ企画が実現した。

「在庫整理をしていたときに社員から”どこかに寄贈しては?”という声が出て深村館長の顔が浮かんだ。コーナーまで作っていただいてかえって恐縮です」(亜璃西社・井上哲さん)

地元出版社がどんな本を出しているかは案外、道民に知られていないもの。郷土の魅力を伝え継ぐ使命を持つ図書館と、地元だからできる本づくりを追求する出版社両者にとってうれしい空間が完成した。

また、2019年10月26日・27日に東京・神田神保町で開催される「第28回神保町ブックフェスティバル」には、版元ドットコム内北海道グループとして亜璃西社・寿郎社・柏艪舎・ミツイパブリッシング・新函館ライブラリー(すべて版元ドットコム加盟社)が参加予定。

同フェスの協賛イベントとして、無書店自治体になるピンチを市民の力で回避した留萌ブックセンターby三省堂書店が話題の三省堂書店と留萌市がタッグを組む「第8回留萌物産展」も行われる。

BOOK TOWN じんぼう – イベント情報 [第29回 神保町ブックフェスティバル 2019年10月26日(土)、27日(日)]

jimbou.info

足を運ばれる方はぜひ、古書ハンティングと同時に北海道組の応援もお願いしたい。

書店ナビも協力、地域創生情報誌『地域人』最新号は書店特集!

続けて新刊紹介は、毎月10日発行の情報誌『地域人』第50号。大正大学地域構想研究所が出版する同誌の最新号は「特集 本屋が楽しい まちが楽しい!」と題して全国の元気書店を取り上げている。

2015年9月に創刊。養老孟司や森まゆみ、二宮清順らも好評連載中。

関係者が「北海道書店ナビ」を見てくれたことで北海道の取材は書店ナビのライター佐藤優子が担当した。
店の規模が偏らないよう「かの書房」「書肆吉成丸ヨ池内GATE店」「留萌ブックセンターby三省堂書店」を紹介し、特集外のレギュラー企画「コアコア新聞」では浦河町の「森の六畳書房」にもご協力いただいた。

すると六畳書房のご店主で、北海道に移住する前は神奈川県に住んでいた櫻井けいさんが「同じコアコア新聞に載っていた金井酒造店は、私たちが以前住んでいたところの酒屋さんです。素直でおいしいお酒なので時々買っていました。こんな偶然があるのですね」とビックリ! 思わぬつながりを楽しんだ。

本屋特集は約50ページにわたり、道内の書店関係者が読めば、他県の同業者から学び、逆に我が身をひるがえって「今やっている方法で間違いない」と思うこともあるかもしれない。また本好きの方々が読んでも「いつか行ってみたい!」と映る各地の書店情報が満載の1冊だ。

地域創生に必要な存在に本屋を位置づけてくれたことをうれしく感じながら、たくさんの方に読んでいただけたら幸いである。

地域構想研究所 地域人

chiikijin.chikouken.jp

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