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第340回 まちライブラリー@千歳タウンプラザ

面積約800m2! 日本最大のまちライブラリーが千歳市の中心街で皆さんをお待ちしています!


2016年12月開館以来、半年で蔵書が倍に!
千歳の新スポット、日本一広い「まちライブラリー」

[2017.9.4]






全国展開の民間図書館「まちライブラリー」、道内に6カ所目も

大阪で産声をあげた民間図書館「まちライブラリー」は、まちに住まう人々が集い、「学びあい」「縁」を深めていく「学縁(ガクエン)」の空間。


森ビルで「アーク都市塾」「六本木アカデミーヒルズ」などの文化活動をけん引し、現在は大阪府立大学観光産業戦略研究所所長補佐を務める礒井純充(いそい・よしみつ)さんが2011年に提唱した、まちづくりのアイデアです。


現在、礒井さんを代表理事とする一般社団法人まちライブラリーが軸となり、全国各地で460件以上のまちライブラリーが展開中。
約6年でこれほど拡大したのには、地元の活性化を望む自治体や有志が注目したことに加えて、「誰でも始められる」身近さも拡大の誘因となりました。




関心がある方ならばご自宅で、あるいは個人開業の施設や店舗でも《マイクロライブラリー》の主宰者になることができるため、草の根的な普及が進んでいます。

北海道では2017年8月時点で札幌市、池田町、旭川市、千歳市に5カ所あり、10月2日には沼田町にも6カ所目がオープン予定です。

そのなかでも、面積約800m2!他府県を圧倒する日本最大規模で話題を呼んでいるのが、2016年12月23日にオープンしたまちライブラリー@千歳タウンプラザです。
オープンから半年が過ぎた7月、実際にどのように使われているのかを取材してきました。





皆が本を持ち寄って棚をつくる「植本祭」からスタート

取材に応じてくれたのは、まちライブラリー@千歳タウンプラザの久重薫乃(ひさしげ・ゆきの)さん。愛媛県に生まれ、香川県等で図書館司書経験を積み、2016年から一般社団法人まちライブラリーに所属しています。
親類縁者のいない北海道千歳市でしたが、新たにまちライブラリーができることを知り、「新しい環境に身を置きたくて」Iターンしてきた行動派の久重さん、まずは、この千歳タウンプラザにまちライブラリーができた経緯から教えていただけますか?



司書資格をお持ちの久重さんにはフルコース企画にもご協力いただきました。来週更新の久重さんフルコースをお楽しみに!



「千歳タウンプラザは、北海道空港グループのセントラルリーシングシステム株式会社さんが施設管理者の建物です。
長らく閉鎖状態が続いていましたが、新たに『まちライブラリー』を導入して、市民のコミュニティスペースとして活気を取り戻したいというご要望があり、2016年に私たちまちライブラリーが企画・運営を委託されました。


まちライブラリーは皆さんに本を持ち寄っていただくシステムなので、開館初日は棚に本を置く《植本祭》からスタート。
約6000冊から立ち上がった蔵書数は、7月時点で約1万3000冊。目標の1万5000冊に到達するまで、先が見えてきたように感じています」

本の貸出しには会員登録が必要であり(カード実費500円)、7月末の取材時点で累計登録者数は785人。目標の1000人達成まで、そう遠くはないような活気に満ちていました。







メッセージカード、イベント企画…つながる仕組み続々と

民間図書館であるまちライブラリーの最大の特徴は、本と人をつなげること。
寄贈された本の奥付を見ると、オリジナルの「メッセージカード」が付いており、オーナーの思いやそれに共鳴して借りた次の読書の感想の輪が連なるような仕組みになっています。


また、会員はパソコン教室や簡単な料理教室、お茶会、読書会などさまざまなイベントを企画あるいは参加することができ、館内の大きな黒板のイベントカレンダーにはスケジュールがビッシリと書き込まれていました(サイトでも確認することができます)。


毎月恒例のサポーター会議は、誰でも参加ウエルカム! ライブラリーでやってみたいこと、改善してほしいことをざっくばらんに話し合う場が定期的に設けられているところも、利用者とのコミュニケーションをより重要視する私設図書館ならでは。
利用者を参画者へと変えていく流れが芽生えています。



6月末のサポーター会議。千歳からも参加した「まちライブラリー ブックフェスタ2017 in 関西」の様子が報告された。


中央で話している女性は、ブックコーディネーターの尾崎実帆子さん。9月から始まった北海道ブックフェス2017の実行委員長でもあり、まちライブラリーとのコラボ企画を持ちかけた。









人がいるあたたかみ、自分たちでできることをやる自治の心

利用者の方にも感想をうかがいました。

「自宅で介護をしているので、リフレッシュしたいときに1、2時間本を読みに来ています。この広さには、とにかくビックリ! 長く続けてほしいです」(男性)

「専門学校生で、夏休みのレポートをするために来ています。家でやろうと思ってもなかなかできないので、街中にこういう空間ができて本当に助かっています。周りに気が散らない程度に人がいるあたたかさも気に入っています」(女性)

「週に6日は来てるかな。本もいろんなジャンルがありますし、公共図書館では禁じられている館内飲食がOKなので長居もできます。たまに8時間くらいいることも(笑)」(男性)

こうして、皆が思いに思いに集まってくれば、そこには”いつも誰かいる”寄り会いのような空間が生まれ、ときには話したい人同士が膝を寄せて”縁側トーク”で盛り上がることもあるでしょう。

その空間と時間には”できることは自分たちでやる”という自治の精神が息づいていることも、まちライブラリーが全国で人気を集める理由のひとつなのではないかと思います。

提唱者の礒井さんが掲げる「シェアの精神」と「日常を大切にする気持ち」をどう受け止め、膨らませていくのか。
まちライブラリー@千歳タウンプラザの新しくて気持ちのいい空間に身を置きながら、あなたも一緒に考えてみませんか?




開放的なキッズコーナーも設置。「手仕事が得意な会員さんが道産木材でつくった木馬を寄付してくれました!」(久重さん)

窯焼きのナポリピッツァやトッピングを自由に選べるソフトクリームを楽しめる飲食スペースも併設。





●まちライブラリー  http://machi-library.org/

●まちライブラリー@千歳タウンプラザ http://machi-library.org/where/detail/2437/
北海道千歳市幸町4丁目30
TEL 0123-25-3544
開館時間 毎日10:00~20:00 
*施設営業は、千歳タウンプラザの営業日時に準じます






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