北海道書店ナビ

北海道書店ナビ  第135回 矢野書店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


恵庭市の島松駅から徒歩すぐの矢野書店。家族経営の道のりも早半世紀というまちの歴史を知る本屋さんだ。現在は書籍よりもやや文具が優勢。なかには手芸用品や工作パーツも置いてあり、ありし日の賑わいを連想させる。[2013.8.5]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=YgIBPOzFois]

札幌からナビに従い目的地が見えてきたとき、思わず絶句してしまった。この日の目的地、矢野書店の目の前にはなんと恵庭市の市立図書館島松分館が!なんとも本屋泣かせの立地ではあるまいか。
「前は図書館じゃなかったんですけどね。数年前にこうなっちゃいまして。うちはこの場所で50年近くやっているのでなんとも…お客様は買うか借りるか、選べちゃいますね」。そう苦笑するのは矢野浩章さん。祖父が始めた家業を受け継ぎ、姉とともに切り盛りしている。
少し空白が目立つ書棚は健康雑誌や実用書が中心。新刊コミックは入口すぐの棚にひとまとめにし、「うちらしくないので」シュリンクをかけずに置いてある。

札幌のベッドタウン恵庭は人口約7万弱。入植が始まった明治時代から拓けてきた島松と、華やかなオープンガーデンで知られるニュータウン恵み野、商圏である恵庭駅付近の市街地、そして中西部の自衛隊演習場とエリアによって特色はさまざま。「ここ島松は歴史は古いんですが、最近はご覧のとおり元気がなくて」。残念ながら埋めつくすほどの目算が見込めない棚の空白が矢野店長の気持ちを代弁しているかのようだ。

いまは文具優勢の店内で夏休みに活躍しそうな工作パーツを発見。「本屋という名の何でも屋さん」だったありし日を思い起こさせる。季節柄、夏休み関連のコーナーは今も健在で、子どもたちの夏をしっかり応援。“借りるのもいいけど、本当に大事な本はお迎えの本屋さんでね”。図書館を出入りする子どもたちの耳にそっと届けたい北海道書店ナビのつぶやきだ。
Store picture



まちのつきあいに欠かせないのし袋。筆耕が得意な先代がいるときは名入れのサービスもしてくれる。



札幌では見かけなくなったシュリンクなしのコミックコーナー。



“なんでも屋”の名残り、工作パーツが昭和世代には懐かしい。


Basic information
【  住    所  】恵庭市島松本町1丁目11番
【 電 話 番 号】0123-36-8356
【 営 業 時 間】平日 9:00~19:30/日曜日10:00~18:00
【 定  休 日  】不定休

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