北海道書店ナビ　 第72回　文教堂書店平岸店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか？

平岸街道沿いの文教堂書店平岸店は別名「B’s Hobby（ビーズホビー）札幌平岸店」。7年前に店の半分にあたる約100坪をホビーコーナーに改装し、〈北海道最大級〉の売り場面積を誇るホビー専門店となった異色の本屋さんだ。【2012.4.9】

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=9tn8_qQYGzA]

書店でありながらホビーショップ、この〈２つの顔〉を持つ文教堂書店は2012年4月現在、全国に7店舗存在する。本社のある神奈川県で実験的に始めた一号店が成功し、全国展開がスタート。
北海道は7年前に改装したここ平岸店のみ。札幌の街中にあったホビー専門店が軒並み閉店したこともあり、今や道内屈指の品揃えで評判を呼んでいる。

店の構成は建物真ん中にある入口を入って左側がホビー、右側が書籍・文房具に大きく二分されている。ホビーコーナーは鉄道模型やモデルカーに始まり、戦車・戦闘機のプラモデル、ガンプラ、フィギュア、今子どもたちに大人気のダンボール戦機など実に多彩。商品でびっしりと埋め尽くされた棚が来店者の工作意欲を刺激する。
本多誠店長にお話をうかがうと「客層は20代以上の男性客が7割。週末に気になる商品を買って土日で作る流れができているようです」と解説してくれた。

他方、書籍に目を向けるとやはり目に飛び込んでくるのはホビー誌コーナー。国内の専門誌はバックナンバーも揃え、通常の書店では見かけないような洋書・写真集なども取り扱う。入門書からHOW TO本、ディープな専門誌までを集めた広さ・深さはさすが「ホビーの平岸店」ならでは。文房具売り場もアクリル絵具やスクリーントーンなど工作アイテムが充実し、〈店の中で全てが揃う〉環境を提供している。

誤解のないように言い添えると、書籍コーナーには一般誌の最新号やコミック新刊、新書の人気タイトルもしっかりラインナップ。〈つきそい組〉も退屈しない時間が過ごせるのでご安心を。3月末からは女の子向けのシールコーナーをオープンし、新たな客層を拡大中だ。

取材中、小学4年生の男の子が手に持っているミニ四駆を見せてくれた。「ここ、よく来るの？」と聞くと「うん、まあね」。レジカウンターに背伸びをしながらもたれかかる姿が、なかなかさまになっている。「うちの常連さんです」という本多店長の紹介に満足そうにうなずいた。

Store picture

Basic information

【  名    称  】文教堂書店平岸店
【  住    所  】札幌市豊平区平岸３条２丁目１−２４
【 電 話 番 号】011-842-0678
【 営 業 時 間】朝 10:00〜夜 24:00
【 定  休 日  】年中無休

本多店長がセレクト！3冊のおすすめ本

1）「月刊Model Graphix」（大日本絵画）

当店で一番売れている月刊の専門誌です。同じ売れ筋の専門誌「Hobby JAPAN」がガンプラやキャラクターのフィギュアを中心に紹介しているのに対して、こちらは5月号の巻頭特集が「水上自衛隊」からもわかるとおり、戦車や軍艦、自動車系を丁寧に取り上げています。

2）野本憲一著「NOMOKEN extra edition ガンプラ入門」（ホビージャパン）

2009年の発売以来、毎月売れ続けているロングセラー。リアルタイムでTV・映画を見ていた世代が久しぶりに作りたくなったときなどに格好の入門書です。わかりやすい解説が好評で、初心者をやさしくガイドしてくれます。

3）中村仁一著「大往生したけりゃ医療とかかわるな」（幻冬舎）

文教堂書店全体で今売れている新書の中から一冊ご紹介します。ドキリとさせられるタイトルですが、内容は数百例の自然死を見届けてきた現役医師である著者が「大往生＝どうやって死を迎えるか」を問いかける真摯な人生指南書です。