「わたしが咲く日は、わたしが決める」
2021年3月に出版された写真絵本『さくららら』(アリス館)は、北国の桜を主人公にした物語。
桜前線の”トリ”を務める北海道の桜が「ようやく開花した」と記述する新聞記事を見て、札幌在住の児童文学作家・升井純子さんが
「…”ようやく”? “ようやく”ってなんだ?って思ったんです」
という小さな疑問から生まれた7年越しのプロジェクトだ。
そのときに升井さんの頭に浮かんだフレーズが、冒頭の「わたしが咲く日は、わたしが決める」。
この世界観を自身にとって初めての写真絵本で表現したいというアイデアも固まり、本棚にあったお気に入りの写真集の著者、芽室町在住の写真家・小寺卓矢さんに依頼した。
…ここから先の二人の長い歳月は、ぜひ下記のリンクからご覧いただきたい。
そして月日はめぐり、北海道に再び春がやってきた。
5月21日、札幌市中央区の谷川俊太郎さん公認ブックカフェ「俊カフェ」で升井さん・小寺さんのクロストーク&ワークショップが開催される。
当日の内容は、
『さくららら』制作が初顔合わせだったとは思えないお二人の息ピッタリのトークを楽しめる。
実は読みかけの本だが、「紹介しなくては!」とはやる気持ちで第一報をお届けする。
千歳在住の児童文学作家・栗沢まりさんの最新刊『あの子のことは、なにも知らない』が3月16日に発売された。
「大人になってから物語を書き始めた」という栗沢さん。書き上げたものを誰かに見てもらおうと千歳市立図書館の童話講座に通い、その時の講師が『さくららら』の著者、升井純子さんだった。
以来「人間を描くこと」を心に刻み、かつて中学校の国語教諭だった経験から「魅力的な年齢である」15歳の心の機微をすくい上げていく。
正義感が強く、先生からも一目置かれる委員長の美咲、
決して目立つタイプではないが観察力がある哲太、
なんでもあけすけに口に出す、ノリ重視の空、
どの学年にも一人はいるであろう文武両道の祐志郎、
誰とも目を合わせない「渡和(わたかず)」こと渡辺和也…。
読みながら美咲が信じる正義感が息苦しくなり、思わず本を閉じることもしばしばだが、その”正論”に対して自分だったらどう答えるかを考え始めると、もう少し時間をかけて読みたいという気持ちも湧いてくる。
春から新しい環境に身を置き、それぞれの正論に戸惑う人も少なくないのではないか。後日改めて著者インタビューをお届けしたい。
おもちゃと絵本の専門店「ろばのこ」が発行していたお便りを藤田進さんが引き継ぎ、デザイナーの佐々木信さんと二人で発行を続けている「庭しんぶん」。
最新号は「自給自足」だった特集を急きょ、「ウクライナとロシア」に差し替えた。一部110円の庭しんぶんを大人が購入すると、こどもに無料で届けられる仕組みがいい。
詳細は下記のサイトまで。
庭しんぶんは、地球や社会をどのようにこどもと分かち合うかを模索しながら、毎月発行しています。この地球上の4人に1人はこどもです。私たちは、庭ビルの周りで起こっていること、起こって欲しいこと、そして新しい発見や気づきを、身近なこどもたちに向けて伝えたいと考えています。私たちの社会にはこどもが必要です。好奇心と探究心の塊のような彼らが、この世界でドキドキ、ハラハラしながら、毎日を楽しめること。それが、庭しんぶんの願いです。
(公式サイトより)
北海道書店ナビから生まれたリトルプレス「本のフルコース」が2022年3月末に完成した。
本書のために新たに取材した札幌弘栄堂書店パセオ西店の石川幸店長と人形作家・高山美香さんのフルコース、北海道書店ナビライターの佐藤優子が選ぶおすすめバックナンバーが掲載されている。
本書は著者の自費出版のため、販売方法は個人通販がメイン(申し込みは上記に記載)。過去の書店ナビを通じて知り合った店舗でも取り扱ってもらっている。
4月13日21:30からは「谷川俊太郎さん公認「俊カフェ」クラハ版・雑談ルーム」で、俊カフェオーナーの古川奈央さん、ラボラトリー・ハコ店主の山田真奈美さんと佐藤が「選書」をテーマに語りあう。
タイミングが合う方はお時間になりましたら、ぜひ下記へ遊びにいらしてください!
谷川俊太郎さん公認「俊カフェ」クラハ版・雑談ルーム – 谷川俊太郎さん公認「俊カフェ」のクラハ版 – Clubhouse
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