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北海道書店ナビ  第156回 ゲオ岩見沢店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


2014年の更新初回はゲオ岩見沢店。国道12号線、江別方面に向かう岩見沢バイパスを1本左にそれた道路脇に見えてくる。1階はドラッグストアで、2階がゲオ。本コーナーは階段を上がってすぐの場所にあり、フロア全体の約3分の1程度。こじんまりとした小さな本屋さん、のイメージだ。[2014.1.13]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=awPAXYKC1hU]

CD・DVDやゲームなど取り扱う商材が多いゲオ岩見沢店の中でただ一人の書籍担当、岩井郁美さんは13年前のオープン時から勤めるベテランスタッフ。全コーナー共通のレジカウンターに常時スタッフがいるとはいえ、一人で大変じゃないですか?と訊くと、「午前中、手伝いの人が入ったのでラクになりました。日曜は本の入荷がないのでちゃんとお休みもいただいています」とやさしい笑顔で答えてくれた。

棚を見渡すと、コンパクトな空間ながらどの本も背がぴしっと真っすぐに並び、乱れがちな雑誌や新刊コーナーも見ていて気持ちのいい清潔感に溢れている。日中は主婦やシニア層が多く、夕方になると近くにある岩見沢農業高校の学生たちがコミック目当てに訪れる。「週末は1階のドラッグストアで奥さまがたが買い物をしている間、ご主人たちは2階で雑誌をパラパラ」。男性客がやや多め、という客層もそのへんに由来しているのかもしれない。

最近は体調不良のためご無沙汰だそうだが、岩井さん同様オープンからこの店に通う年配の男性客がいるという。「博識な方で、ものを知らない私はいつも怒られてばかり(笑)。おっかないけれど来るたびに新しいことを教えていただき、自分でも“もっと勉強しなきゃ”という向上心を持つようになりました」。そう感謝の言葉を口にする岩井さんだが、その男性客にとっても「怒られ」てくれる岩井さんが「この店に来たい」と思わせる吸引力になっていたのではあるまいか。書店員と、特に年配の常連客の間に育まれる“ゆるやかな結びつき”を、ここ岩見沢でも見つけることができた回だった。
Store picture

アニメ化を聞きつけいち早く話題作を揃えたコミックコーナー



メディア化本・話題本をわかりやすくひとまとめに



同じフロアでゲーム・レンタルも展開


Basic information
【  住    所  】岩見沢市十条西20丁目2
【 電 話 番 号】0126-31-6605
【 営 業 時 間】10:00〜24:00
【 定  休 日  】年中無休

岩井さんがセレクト! 3冊のおすすめ本

1)高橋克彦著「ドールズ 最終章 夜の誘い」(角川書店)
私が好きな作家さんは遅筆の方が多く、この高橋克彦さんの「ドールズ」シリーズも昨年末、数年ぶりに最終章が発売になりました。岩手県盛岡市にある喫茶店「ドールズ」オーナの娘、月岡怜の体には江戸の名人形師・目吉が棲んでいて、さまざまな難事件を解決する、という奇想天外なエンタメ小説ですが、この最終章ではついにその謎が明らかに。読むのが嬉しいような、さみしいような気持ちです。
2)東野圭吾著『疾風ロンド』(実業之日本社)
こちらも『白銀ジャック』から3年!まさかの「文庫書き下ろし」で早くも100万部突破。最後の1ページまで気が抜けない長編ミステリーです。強力な生物兵器を雪山に埋めた、場所を知りたければ3億円を支払えーーそう脅迫してきた犯人がなんと事故死! 上司から生物兵器の回収を命じられた研究員は息子と共にスキー場へ向かうが…続きはぜひご自分で!
3)東野圭吾著『祈りの幕が下りる時』(講談社)
東野圭吾好きなもので「表紙がステキな一冊」と聞いて、これを選びました。薄いカーテン越し、でしょうか、遠くに見える橋、巨大なマンション群という日常の風景と「悲劇なんかじゃない これがわたしの人生」という帯のコピーが物語の不穏な奥行きを感じさせて、思わず手に取ってしまう一冊です。

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