北海道書店ナビ　 第155回　アシーネ岩見沢店

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心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか？

「ダイエーの本屋さん」アシーネは2013年12月現在、道内に7店舗。ダイエー岩見沢店の2階にも2007年4月に開店して以来、70坪という小空間で奮闘中。書店員皆さんの細やかな気配りを隅々まで行き渡らせ、常連客の好みを先回りする提案型接客を実践している。［2013.12.23］

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=z205DPt08d4]

アシーネ岩見沢店はダイエー2階のほぼ中央にあるため壁がなく、店の四方から出入りができる開放型。壁代わりに天井から吊るされた赤い囲み枠を目印に常連客が集まってくる、というのがいつもの光景だ。レジがあるメインの売り場と通路を挟んだ場所には、児童書・教育学習書のコーナーが。毎月第4日曜の午後1時から約30分のお話し会を開いている（12月は22日に終了しました）。担当の書店員とボランティアスタッフが力を合わせて手遊びも取り入れ、“小さな常連さんたち”を楽しませている。

アシーネの北海道エリア統括部長南雅文さんによると、70坪という小店舗の岩見沢店だが、「実は全国のアシーネの中でもトップクラス」の売りが二つもあるという。
まず一つ目は定期購読や注文を合わせた「客注率の高さ」。毎月三桁は手堅い件数は「ひとえにお客様一人一人の読書傾向を把握しているベテラン書店員の提案力の賜物です」。好きなアイドルの記事をコンプリートしたいファンには「○○にも記事が出ていましたよ」と伝え、推理小説を買って「面白かった」と言っていた常連には作者は違っても同じ匂いがする新刊をおすすめする。「あの人なら」という顔を浮かべた選書を本人たちも楽しみながら提案し、カウンターがいきいきとした接客の場になっている。

そしてもう一つの売りはハズレなし、人気キャラクターグッズが必ず当たる「一番くじ」の稼動率。「こういう商品が動かない店もありますが、当店の場合は残りの商品数などリアルタイムの情報をこまめに更新しているため、固定客がいるほどに。じきに全国の姉妹店から商品が集まってくるようになり、商品の数も種類も充実してますますお客様の期待に応えられる、という好循環が続いています」。“札幌に行かなくても手に入る”ホビーショップの役割も果たしているようだ。
小さい店は置ける本の量も客のパイも限られるが、提案力次第で活路を見出せる。そう教えてくれた書店員さんたちのいい仕事ぶりを見せていただいた。

Store picture

Basic information

【  住    所  】北海道岩見沢市9条西20丁目ダイエー岩見沢店2F
【 電 話 番 号】0126-33-3303
【 営 業 時 間】10:00〜20:00（毎月1日、15日、木曜、日祭日は9時開店）
【 定  休 日  】年中無休

アシーネ岩見沢店がセレクト！ 3冊のおすすめ本

1）おくはらゆめ著「シルクハットぞくはよなかのいちじにやってくる」（童心社）

読み聞かせでも大人気！シルクハットをかぶった謎の紳士たちが真夜中にやることは…？ネタばれはできませんが、とにかく子どもたちは皆、“いつものところ”にくるとニヤニヤ、クスクス楽しそう。なんともいい感じに力の抜けたタッチとテンポのいいストーリーで子ども心をぎゅぎゅっとつかんじゃう名作です！

2）香山美子著、柿本幸造イラスト『どうぞのいす』（ひさかたチャイルド）

こちらの絵本はキャラクターに動きがあるので読み聞かせのときは《パネルシアター》にして紹介しています。うさぎさんが椅子を作って「どうぞのいす」と書いた看板を立てました。さて、誰がくるでしょう？はじめにやってきたのはロバさんです…そんな風にいろんな動物たちが登場します。かわいらしい「どうぞ」のリレーに読んでいる大人もほっこりとした気持ちにさせられます。

3）長谷川義史著『じゃがいもポテトくん』（小学館）

“じゃがじゃがじゃがじゃがおじゃがじゃが”、巻末にユニークなテーマソング付き！子どもたちと一緒に口ずさめる、ちょっとシュールな歌い聞かせ本。北の国からやってきて八百屋さんの店頭に並ぶじゃがいもくんのお話です。じゃがいもが大好きな子もちょっと苦手な子も、読んだ後は食卓でじゃがいもを見る目が変わること間違いなし！