北海道書店ナビ 第146回 喜久屋書店/BOOKJAM東光店
書店所在地はこちらをご覧下さい。
心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?
今回お訪ねした喜久屋書店/BOOKJAMは旭川市内の一条通沿いに建つコープさっぽろ東光店の中。近年、大手書店や大型複合店が続けて出店する“書店激戦区”の旭川で5人の女性スタッフが頑張っている。[2013.10.21]
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Gv5E9raS3rU]
2009年、経営会社であるキクヤ図書販売株式会社と北海道コープさっぽろとの資本提携で誕生した『喜久屋書店/BookJam』。主婦・シニア層に支えられるコープさっぽろ色がそのまま同店のカラーとなり、これまでおじゃましたどの店も“最新刊の量や入荷速度を競う知の最前線!” というよりは、“買い出し途中に気さくに立ち寄る本コーナー”。さらに同店のスタッフはやはり客層を意識してか、女性が中心。勤務暦10年、15年は当たり前のメンバーが多く、見慣れた顔に接客してもらう安心感が常連客の心をつかんでいる。
スタッフのなかには足しげく通っていた常連客がパート募集の張り紙を見て、あるいはレジで仲良しのスタッフから「募集中なんだけど働いてみない?」と誘われて…なんていう話も珍しくない。旭川の東光店パートチーフ湊敦子さんもそんな転身組の一人。「気がつけば20年以上経っちゃった」ベテランメンバーだ。
「店の2階にはダイソーがあるのでお客様の年齢層は幅広いんですよ。私を含め5人のスタッフ全員勤務暦が長くて個性もいろいろ(笑)。笑ったり悩んだりしながらお客様とのコミュニケーションを大切にして毎日頑張っています」。取材時は9月末で書店業界は手帳・カレンダーの入荷が始まる時期に突入した。「お客様に一冊でも多く手に取っていただけるように各出版社別に陳列しています」。
ここ3、4年の間に大型複合店や大手書店が進出し、JR旭川駅エリアは書店激戦区と化した。広さや数では叶わない分、「人」や「ふれあい」でコープさっぽろ客を引きつける。それもひとつの生き残り方法だと考えさせられる書店の形が道内各地で息づいている。
Store picture
シニア層に人気のパズル誌。「(懸賞に)出してる?」というレジでの一言が会話を生む。
観光地旭川だから?「意外にも地元の方が旭川の地図を買って行かれます」
日めくりなど定番を取り揃えるカレンダーコーナー。
Basic information
【 住 所 】旭川市豊岡一条五丁目324コープさっぽろ東光店1階
【 電 話 番 号】0166-35-8494
【 営 業 時 間】10:00〜21:00
【 定 休 日 】年中無休
湊さんがセレクト! 3冊のおすすめ本
1)近藤誠著『医者に殺されない47の心得』(アスコム)
健康やご長寿系が動く当店のなかでもこの本は昨年の発売以来、ずっと売れ続けている人気本。かなりどきっとするタイトルですが、そんな内容をお医者さん自身が書いている、というところもヒットの理由かも。医療に関心がないお客様にも手にとって読んでほしい一冊です。
2)湊かなえ著『花の鎖』(文藝春秋)
著者が同じ「湊」姓なので親近感がわき、新刊が出るたびに読んでいます。元英語講師、子供ができずに悩む人妻、絵画講師の3人の女性が織りなす傑作ミステリ。映像化されて今年9月、フジテレビで中谷美紀、松下奈緒、戸田恵梨香のトリプル主演ドラマが放送されました。原作のほうも文章に引き込まれて何度でも読み返したくなる作品です。
3)サッフィ・クロフォード、ジェラルディン・サリヴァン著『誕生日大全』(主婦の友社)
主婦の友社が発行する50万部突破のベストセラー!自分自身の誕生日はもちろん、家族や友人、同僚たちのバースデイも調べたくなるのが人の心理というもの(笑)。当たっていることが多いだけについ“調べグセ”がついちゃいました。電子書籍も続々リリースされています。