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北海道書店ナビ  第148回 コーチャンフォー北見店

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心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


北海道書店ナビ北見篇のトップバッターは「コーチャンフォー北見店」。2011年10月、国道39号線沿いにオープンした、コーチャンフォー道内6店舗中最も新しい店舗だ。道北と道東を結ぶオホーツクエリア待望の複合店らしく駐車場を埋めつくす車の数が集客の広さを物語る。[2013.11.4]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=OYvaXRFY2Fk]

釧路本社のコーチャンフォーは書籍・文具・CD&DVD・飲食という4つの車輪で走る超大型複合店。今回訪問した北見店はこの「複合店」ゆえの魅力が、オホーツクエリアという広大な商圏にジャストフィット。書籍750坪・文具450坪・CD&DVD250坪に加えて、ゆったりとした空間で思い思いにくつろげるドトールコーヒーが併設。地元デパートに乏しいオホーツクエリアで新たなポジションを獲得した。
その手応えを「包装から読み取ることができます」と話すのは、同店の斎藤欽哉マネージャー。「今年の10月からオープン3年目を迎えますが、書籍・文具ともに包装を依頼されるお客様が年々増加。ご自分のための買い物とは明らかに異なる“プレゼントニーズ”を実感しています」。
コーチャンフォーの文具コーナーといえば、単なるステーショナリーの域を超えた雑貨・おもちゃ・ぬいぐるみなどの幅広い品揃え。今年のクリスマスシーズンも商品とともにたくさんの“贈る想い”が飛び交うに違いない。

オホーツクエリアを商圏とする北見店二つ目の特徴はやはり広域にわたる集客力にある。週末ともなれば、遠くは稚内あるいは阿寒などから時間をかけてやってくる車が駐車場を埋めつくす。「せっかくお越しいただいたお客様をガッカリさせることはできません。商品、接客すべてにご満足して帰っていただけるようこれからも精一杯努めてまいります」。

また、三番目の特徴はコミックの売れ行きが好調とのこと。北見市内には大学や高校が多いことと、やはり近郊・遠方問わずの固定客がいるのだろう。「『カゲロウデイズ』などの若者に人気の高い作品は札幌よりも販売冊数が上回ることも珍しくありません」。

ひとつ残念なのは、まだ一度も作家を招いたサイン会を開いていないこと。「旭川店にいらした作家さんに北見店宛ての色紙もいただくことはあるんですが、ご本人となるとどうしても時間的に難しいようで…でもいつか必ずコミック好きのお客様のためにも作家さんをお招きしたいです」。北見の地で夢が実現する日が待ち遠しい。
Store picture

ご自慢の児童書コーナーで同店のシンボル的な「四頭立て馬車」を発見! 童話でおなじみのかぼちゃの馬車だ。



農業のまち北見のニーズに応えていくうちに増えていった農業関連。



店頭入口の「北海道本ランキング」。自費出版を含め丁寧に作られた地元本に光を当てている。





中世の城をイメージした外観。ライトアップされた夜の表情も荘厳だ。


Basic information
【  住    所  】北見市並木町521(国道39号線沿い)
【 電 話 番 号】0157-26-1122
【 営 業 時 間】9:00〜24:00
【 定  休 日  】年中無休

斎藤マネージャーがセレクト! 3冊のおすすめ本

1)北海道放送報道部取材班著「記憶障害の花嫁」(小学館)
テレビでも放送されました、感涙必至のヒューマンストーリー。地元網走に暮らす普通の女子高生だったつかささんは交通事故が原因で車椅子生活になり、さらにその後遺症で記憶障害に…それでも明るく前向きに生きる彼女は恋に落ち、結婚・出産を決意する。人間愛あふれる感動の実話が心をうちます!
2)司馬遼太郎著「オホーツク街道―街道をゆく〈38〉」(朝日新聞社)
やはり「オホーツク街道」というキーワードに手を伸ばす男性読者が多く、当店の隠れたロングセラーです。北海道史というと縄文人が有名ですが、実はこのオホーツク海沿岸で発見された遺跡によると「オホーツク人」の存在が。彼らがどのような暮らしを営んでいたのか、考古学的な視点から興味深く読みました。
3)J.パトリック・ルイス著『百年の家』(講談社)
児童書担当者に「装丁がいい本を教えて?」と聞いたところ、「コレ!」と即答されたのがこの一冊。主人公は表紙に描かれた一軒の家。そこに暮らす人々の営みと家の変遷を細密なタッチで表現しています。言葉少ない語りの文もやさしく深く。毎日の積み重ねが百年の歴史をつくることを静かに訴えかけてきます。

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