北海道書店ナビ 第136回 コーチャンフォーミュンヘン大橋店
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心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?
書籍・文具・音楽&映像・飲食で走る「4頭立ての馬車」(英語でcoach and four)になぞらえた巨大複合店「コーチャンフォー」は釧路本社。現在は札幌3店舗、釧路、旭川、北見の6店舗で地域のカルチャー活性に一役買っている。[2013.8.12]
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=B2BRj0IBKnw]
「コーチャンフォー」に初めて入った人はまずその巨大な空間に圧倒されるだろう。小さな書店なら2、3店舗すっぽりと入ってしまいそうな[書籍]空間に加えて、[ステーショナリー][音楽&映像][憩いの飲食]の4ジャンルすべてが、独立した一店舗になりうるボリュームでフルラインナップ。「全ての世代の方々」が時間を忘れて楽しめるカルチャー空間を生み出している。何事もスケールの大きい北海道の中でも一目置かれる存在だ。
豊平川沿いにあるミュンヘン大橋店は2004年9月にオープン。1200坪の書籍コーナーを小笠原勝樹マネージャーにご案内いただいた。店に入ってすぐの場所にはかわいらしい児童書コーナーがある。「私どものコンセプトに“三世代に渡って楽しんでいただきたい”という想いがありますので児童書はやはり一等地に」。子どもと一緒に絵本を選ぶ大人も微笑んで手を伸ばしたくなる良書を揃えている。
「お子様連れのお客様に“本がいっぱいあって文具や雑貨も充実している。子どもたちはCDに夢中だし、私たちもミスタードーナツでコーヒーが飲めるから一日中いられます”と言われて、こちらのほうが嬉しくなりました」。創業の想いはしっかり利用客に伝わっているようだ。
美しが丘店、新川通り店を含む札幌3店舗中、ミュンヘン大橋店ならではの特徴をうかがうと、「当店は札幌の商圏でもある中央区と隣接しているため、会社員の方々、特に男性がお一人で来店される姿もお見かけします」という回答が。
以前、評判を聞きつけた文庫担当者が骨太の長編ミステリー『模倣の殺意』を仕掛けたところ、平積みが予想以上に動いて「大化け」し、男性層からの確かな支持を実感したこともあるという。
「隣接しているのは中央区だけでなく南区・白石区も。幅広いお客様に“やっぱりコーチャンフォーにはあったね”と喜んでいただけるようなコーナーづくりに力を入れていきたいです」と小笠原マネージャー。広域エリアの期待に50人のスタッフと手を携えて応えていく。
Store picture
好評のため常設となった「北海道雑誌バックナンバー」コーナー。
釧路出身の作家桜木紫乃さんが『ホテルローヤル』で直木賞を受賞!
都心部に近い立地でビジネス本もよく動くミュンヘン大橋店。
Basic information
【 住 所 】札幌市豊平区中の島1条13丁目
【 電 話 番 号】011-817-4000
【 営 業 時 間】9:00〜24:00
【 定 休 日 】年中無休
小笠原マネージャーがセレクト! 3冊のおすすめ本
1)ジェームズ・ロリンズ著「マギの聖骨 上」(竹書房)
全米100万部のベストセラー。シグマフォースという特殊部隊が活躍する歴史ミステリーです。映画のようにテンポのいい構成なので、どんどん先に進めます。歴史と現代、宗教と科学、謎解きの頭脳戦と激しいアクションのコントラストが緻密に入り組んで読み応え十分!ハリウッドで映画化企画も進行中です。
2)浅田次郎著「終わらざる夏 上」(集英社)
昨年話題になった『永遠のゼロ』に始まり、今年の『風立ちぬ』『少年H』と戦争について考えさせられる本・映画が注目を浴びるなか、個人的にはこの浅田作品がおすすめ。前半は戦火の子どもたちが疎開先を抜け出し親元に帰る道すがら出会う人たちとのやりとりが温かく、後半はその空気が一転、戦争や戦後処理の理不尽さを突きつけられ、生涯忘れられない結末に…。
3)志茂田景樹著・木島誠悟イラスト「キリンがくる日」(ポプラ社)
キリンのいない釧路市動物園。あるとき、「キリンが見たいなぁ」とつぶやいた子どもの一言からこの絵本は生まれました。「子どもたちにキリンを見せたい!」と動き出した市内の主婦らが市民団体「チャイルズエンジェル」を結成。その思いと活動を綴ったのがこの絵本です。肝心の結末ですか? 2013年秋、釧路市民は全員、動物園に“新しい仲間”が来るのを心待ちにしています!
コーチャンフォーミュンヘン大橋店のイベント・フェア情報
桜木紫乃先生「無垢の領域」発売記念 コーチャンフォーグループサイン会 2013年8月31日16:00~
直木賞受賞後第1作「無垢の領域」の発売を記念し、サイン会を開催いたします。7月31日に発売された「無垢の領域」を当店にて購入された先着100名様にサイン会整理券をお渡しします。
「戦争を考える本」フェア 開催中~2013年8月31日
「永遠の0」が記録的な売り上げを続ける中、ジブリの「風立ちぬ」、「少年H」等同じ時代背景の話題作が注目されています。戦争の悲痛さや人間としての強さ、読んだ方に様々な思いを届けてくれます。
週間売筋ランキング 対象期間平成25年7月30日~8月5日
文庫
第1位:「オレたちバブル入行組」 池井戸潤 著(文藝春秋)
第2位:「オレたち花のバブル組」 池井戸潤 著(文藝春秋)
第3位:「永遠の0」 百田尚樹 著(講談社)
文芸書
第1位:「ホテルローヤル」 桜木紫乃 著(集英社)
第2位:「爪と目」 藤野可織 著(新潮社)
第3位:「無垢の領域」 桜木紫乃 著(新潮社)
ビジネス書
第1位:「99%の人がしていないたった1%のリーダーのコツ」 河野英太郎 著(ディスカバー21)
第2位:「伝え方が9割」 佐々木圭一 著(ダイヤモンド社)
第3位:「できる大人のモノの言い方大全」 話題の達人倶楽部 編(青春出版社)
趣味生活書
第1位:「札幌本」(枻出版社)
第2位:「30日できれいな字が書けるペン字練習帳」 中塚 翠涛 著(宝島社)
第3位:「疲れとり首ウォーマー」 小林弘幸 著(角川書店)
児童書
第1位:「かいけつゾロリなぞのスパイと100本のバラ」 原ゆたか 著(ポプラ社)
第2位:「モンスターズユニバーシティ」 アイリーン・トリブル 著 (偕成社)
第3位:「んふんふなめこ絵本」 トモコ=ガルシア 著 (岩崎書店)