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北海道書店ナビ  第157回 i-BOOK岩見沢店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?

岩見沢の4条通り商店街にある市民交流施設「であえーる岩見沢」、と聞くと市民ホールのようなものを想像するが、さにあらず。1階にはAコープやブテッィクがあり、3階は就職サポートセンター、5階はスポーツクラブやボーリング場といった多機能を併せもつ、まさに市民のためのスポットだ。2階の一角を占めるi-BOOK岩見沢店を訪ねた。[2014.1.20]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=SX_YiPyGA5Y]

「であえーる岩見沢」2階奥にあるi-BOOK岩見沢店は約200坪。入口すぐのレジから縦に伸びる、ウナギの寝床のようなスペースだ。レジ近くには主婦やシニアに人気が高い実用書の棚があり、「お客様から“こういう本を探してる”と言われたときすぐに、“こちらです”とその場までご案内できる」構成が、同店の姿勢を物語っている。
料理本を探すお客様につい「写真がキレイな分お値段もそれなりのものよりも、台所で汚しても心が傷まない手軽な雑誌を紹介してしまう」のも、使い勝手のことを考えて。「“商売っけがないわねえ”と笑われました」という店長代理の一瀬栄子さんをはじめ5人のスタッフがお客様目線を大切にした接客を続けている。

スタッフの中には「ポップ名人」がいて、店内のあちこちに丁寧に作られたポップが貼られていた。昨年の芥川賞候補作だったいとうせいこう作『想像ラジオ』を見ても、推薦文を綴った複数の風船形ポップを一枚の絵のように仕上げたコリようだ。コミックコーナーでは同店の緑色のエプロンをつけたオリジナルキャラクター「もみじ姉さん」を発見!「当店の6人目のスタッフという位置付けで、もみじ姉さんにいろんな本を紹介してもらっています。コメントが気になって買ってみた、というお客様もいらっしゃって作り手の励みになっています」と一瀬さんが解説してくれた。

レジ前の小さな文庫フェアをよく見ると「天下統一文学武将決定戦 TOPに立つ人気NO.1小説家は誰だ!」と印刷された帯付きの文庫が並んでいた。一瞬出版社からの仕掛けかと思ったが、ラインナップが各社をまたいでいるからそうではない。聞けばこの企画、一瀬さんたちが考えた同店のオリジナル企画だというから驚いた。ポップ名人がオリジナル帯を作成し、日本各地ごとに出身作家の作品を集めて一番売れた作家が勝ち抜いていくシステムだ。作家を文学武将、としたところが面白い。「新刊は黙っていても売れますが、既刊にもいい本がたくさんあることを伝えたい。紹介する作品にスタッフ全員がポップを書くのもいい練習になります。対象の商品をご購入いただきますと抽選で、ささやかですがプレゼントもついてくるんですよ」。自分たちが楽しみながらやはり最後はお客様のために。創意工夫に満ちたi-BOOK岩見沢の店づくりから学ぶことはいっぱいありそうだ。

Store picture

書店では珍しい、明るいグリーンの什器を使っている店内

同店の“ポップ名人”が作ったお手製ポップが人目を引く

オリジナルの帯まで作ってしまう本格的な文庫フェアに脱帽!

Basic information

【  住    所  】岩見沢市4条西3丁目1 であえーる岩見沢 2F
【 電 話 番 号】0126-31-5177
【 営 業 時 間】月-土 9:00 – 20:00, 日 9:00 – 19:00
【 定  休 日  】年中無休

一瀬さんがセレクト! 3冊のおすすめ本

1)いとうせいこう著「想像ラジオ」(河出書房新社)

去年の芥川賞候補が発表されたとき、うちの店ではこれがイチオシ。説明しづらい内容なので「とにかく読んでほしい!」という思いをこめてスタッフと一緒に考えたのが、あのポップです。生者と死者の間で交わされる関係を自分だったら、と考えてみる…3.11から3年が経とうとしている今だから読んでほしい一冊です。

2)篠丸のどか著『うどんの国の金色毛鞠1』(新潮社)

“うどんの国”香川県の実家に帰省中の主人公が出会った不思議な子どもは、実は耳としっぽがあって…?子どもの正体は表紙を見ていただければ、もうおわかりですね(笑)。かわいい絵とハートフルなストーリーで心がほっこりする注目作。著者はもちろん香川出身、他の作品も読みたくなる気鋭の新人です。

3)山崎ナオコーラ著『昼田とハッコウ』(講談社)

書店員ならば思わず足を止めてしまう、おなじみの商売道具が並んだ表紙が目印。地域密着型書店「アロワナ書店」が舞台の物語です。休日に『ブランチ』を見ていたら紹介されていたので、すぐ店に電話をかけて「うちにある?ないなら入れておいて」と頼みました。毎日店を開けること、日常の大切さを教えてくれます。

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