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北海道書店ナビ 第66回 札幌明正堂書店 自衛隊駅前店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


『こちらのお店は閉店しました。』

地下鉄南北線「自衛隊前」駅から歩いて7、8分。店の場所は広大な自衛隊駐屯地西側に隣接する東光ストアの1階奥と聞いていた。この日の目印は<ひなまつりの飾り付け>。手作り感あふれる札幌明正堂書店自衛隊駅前店を訪ねた。【2012.2.27】

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=Mr0QHiftxGU]

店の入口で迎えてくれたのはひなまつりシーズンの飾り付け。色紙の精巧なカッティングに目を凝らすと、愛らしいお内裏様の姿が見える。「前にいたバイトの子が型紙を残していってくれたので今年は私が。大変でした(笑)」。マネージャーの大関敦子さんがそう打ち明けた。

ひなまつりの時季は精巧な切り絵ポップがお出迎え



店に入ってからもありとあらゆる場所に手描きポップが飾られ、その多さには驚くばかり。聞けば手先が器用なスタッフに恵まれ、「時間を見つけては次々に新作を作ってくれる」のだという。
なかでも壁一面に貼った人気キャラクターの大型ポップは店のトレードマークがわり。「ほら見て!」と指差しながら入ってくる“小さなお客様”が大勢いる。

店の中は楽しい手描きポップでいっぱい!



約40坪の店は自他ともに認める小さなインショップ。スーパーという場所柄、ほぼ毎日同じ顔ぶれが「なんかないかい?」とやってくる。
「書籍流通のシステム上、平積みできるほどの新刊入荷は大型書店の独壇場。私たちまちの本屋にできることは、いかに既刊本の魅力をお客様に“再発見”していただけるか。あれもこれもは置けない分、担当者が選りすぐったオススメ本をご紹介しています」。
レイアウトやおすすめポップをこまめに変えて、既刊本の新たな魅力を発信する。

他にも年配層のためにコーナータイトルを大きく表示し、NHKテキストもバックナンバーを充実。息の長いシリーズものが多い時代劇コーナーでは発行順にタイトルを並べた手描きポップで、初めての読み手をやさしくガイドする。
手間と愛情をかけた店づくりで見知らぬ本との出会いを結ぶ。小さな50坪にまちの本屋の原点が息づいている。
Store picture

人気時代小説シリーズの掲載順にタイトルを並べた親切ポップも



凝ったポップで常連客の目を楽しませている



Basic information
【  名    称  】札幌明正堂自衛隊駅前店
【  住    所  】札幌市南区澄川3条6丁目3-1東光ストア自衛隊駅前店1F
【 電 話 番 号】011-820-1020
【 営 業 時 間】朝 9:00〜夜 11:00
【 定  休 日  】年中無休

大関マネージャーがセレクト!3冊のおすすめ本

1)白取春彦著「超訳 ニーチェの言葉」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
哲学者ニーチェの言葉をわかりやすく“超訳”したロングセラー。当店でも途切れることなく出続けています。サッカーの長谷部誠選手がポジティブさを保つために愛読していることでも有名です。立派な装丁で高尚な気分を盛り上げてくれるところも、自宅に一冊欲しくなる要因かもしれません。
2)うだひろえ著「誰も教えてくれないお金の話」(サンクチュアリ出版)
こちらも一家に一冊のコミックエッセイ。FPの泉正人さん監修のもと、2010年の改訂を経て最新バージョンに。家計、保険、老後、住宅ローン…お金のことを知らない主人公がぶつかる不安は、読者である私たちも抱える不安。勉強になります。一度最後まで読んでも細かいことは忘れてしまいますから、そのときどきの必要が出てきたら知りたいところだけ読み直す。頼りになるマネー指南書です。
装丁の美しい本)葉室麟著「蜩ノ記」(祥伝社)
第146回(平成23年度下半期)の直木賞受賞作。表紙に描かれた主人公の静かなたたずまいからも伝わるとおり、日本人の潔さや気高さを描いた感動作です。直木賞受賞作は素直に読めないへそまがりの私も本作には思わず涙しました。おすすめです!

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