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北海道書店ナビ  第112回 喜久屋書店/BOOK JAM小樽南店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


小樽に2店舗ある喜久屋書店のうち、入船にあるこちらはコープさっぽろに入っている「ブックジャム」名義のほう。健康や料理など日常生活に密着したジャンルのほか、老いや生き方のテーマが人気だという。[2013.2.25]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=YBH5XqQgauA]

取材に応じてくれたのは勤務20年のアルバイトチーフ小山内美智子さん。5年前に石狩店から異動してきた。石狩と小樽南、各店の特徴を聞いたところ、「共通点のほうが多い」とのこと。「どちらの店も年金をもらっているような高齢者層が大事なお客様。コープさっぽろが決めた毎週木曜のシニアコープデーになれば忙しくなりますし、料理や健康など自分たちの生活に根づいたジャンルが人気です」。
またスーパー系の書店はどこもクロスワードやナンプレなどパズル誌がよく売れることで知られており、ここ小樽南店でも根強い人気を保っている。「お好きな方は一度に何冊も買っていかれますし、“うちのおばあちゃんに頭を使ってほしくて”とご家族に買って行く方もいらっしゃいます」。

他方、石狩店との決定的な違いはお店の広さ。100坪近い石狩店の半分もない小樽南店では石狩以上にスペースの有効活用が要求される。「表紙を見せる面陳から場所はとらないけれども注目度が下がる棚差しに変えるタイミングはいつも悩みどころ。でも基本は“どのジャンルもまんべんなくカバーしつつ新しいものがすぐ目につく”ように棚を整えています」。

石狩店では文庫を担当していた小山内さん。もともと熱心な本好きではなかったが、「担当になったからには」と積極的に読むようになり、ときには裏表紙のあらすじを頼りに作家の名前や個性を覚えていったそうだ。
石狩から小樽への異動や札幌からの通勤をものともせずこの仕事を続けてこれた動機は、「やっぱりお客様との会話が楽しいから。話題本について盛り上がったり、映像化された作品のキャスティングにあれこれ言ったり(笑)。お客様と一緒に私も楽しく働かせてもらっています!」
Store picture

高齢者が気になる「老い」や「生き方」本。メディアの影響が色濃く出るという。



スーパー系書店の売れ筋、パズル雑誌。「店頭でのご注文も承ります!」


Basic information
【  住    所  】小樽市入船一丁目7-7(コープさっぽろ 小樽南店1階)
【 電 話 番 号】(0134)33-2076
【 営 業 時 間】10:00〜21:00
【 定  休 日  】年中無休

小山内さんがセレクト! 3冊のおすすめ本

1)湊かなえ著「夜行観覧車」(双葉文庫)

2013年1月から始まったTBSドラマが毎週金曜夜10時スタート!ドラマ化されると原作も動くので、いま当店で一番売れている文庫本です。高級住宅地で起きたセンセーショナルな事件の真相が明らかになっていくサスペンスストーリー。私は姉に勧められてハードカバーで読みましたが、もう大分前のことなので実は「犯人て誰だったっけ?」状態(笑)。ドラマで二度結末を楽しめそうです。


2)三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」(アスキーメディアワークス)
2013年1月14日からフジテレビで放送中の「ビブリア古書堂の事件手帖」。2012年の本屋大賞では文庫本初のノミネート作品として話題になりました。表紙の印象から若い方に人気と思われがちですが、読者層はかなり幅広いです。ドラマでは主人公の設定などいろいろと改変しているので、ドラマから入った方はぜひ原作も読んでほしいですね。2013年2月に4巻が出るのでまだまだ動きが止まらないシリーズです。
3)池井戸潤著「空飛ぶタイヤ」(実業之日本社)
私よりもたくさん本を読んでいる同僚に教えてもらいました。第136回直木賞候補作品。トレーラーの走行中に外れて「飛んだ」タイヤが原因で若い母親が死亡。原因は整備不良なのかそれとも…。社会に深い影響を及ぼすリコール問題とそれに関わる様々な関係者の思いを描いた社会派エンターテインメント小説。文庫化にあたり表紙が変わりましたが、同僚が好きなのはハードカバーのほう。「青空を飛ぶ紙飛行機が読後の余韻を深めてくれる」そうです。

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