北海道書店ナビ 第121回 進藤書店B-Top店
書店所在地はこちらをご覧下さい。
心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?
『こちらのお店は閉店しました。』
札幌を飛び出した北海道書店ナビ[苫小牧編]。三週連続の更新は日新町にある進藤書店B-Top店から始めたい。350坪の店は4月26日の開店記念日を迎えて、18年目に突入。「地道に続ける」ことの艱難辛苦を乗り越えてきた。[2013.4.29]
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=5EviIyixl28]
取材は株式会社進藤書店の松家誠髙専務に対応していただいた。同社が苫小牧で経営する店は現在3店舗。ときわ町の本店と今回訪ねた日新町のB-Top店、そして文具のみを取り扱う店舗がもう1店舗あるという。
「私の父である社長が若いときに上砂川の書店で丁稚奉公をしまして、その後苫小牧に移り住んでこの地で書店を開業しました。B-Topの屋号はBookの頭文字と地域一番店になる願いをこめて、そう命名したと聞いています」。
B-Top店の店舗面積は350坪。約3分の2を書籍、残りを文具が占める。立地が住宅地ということもあり、開店したばかりの朝は近隣のシニア層が来店。日課のウォーキングを兼ねて、という人も少なくないそうだ。
日中は子連れの主婦層や併設のコインランドリー・クリーニング店の利用客が新刊や雑誌、文庫を物色。夜5時半以降になれば帰路途中の会社員が訪れ、こうして進藤書店の一日は過ぎていく。
イオン苫小牧店の進出により人の流れが大きく変わった地元で生き残るためには「地道な努力に勝るものはない」と話す松家さん。「アナログ気質で成り立ってきた書店商売の根本を忘れずに地元の皆さんに本の魅力を発信していきたいです」。
今年3月から店長となった大井高志さんも「お客様との約束事をきちんと守る積み重ねが信頼になる。当たり前のことを当たり前にできる店としてこれからも頑張ります」と、開店18年目に突入した抱負を語ってくれた。
Store picture
2012年12月からは400円お買い上げで1ポイントのメンバーズカードを始めた。
シニア層に大人気のパズル雑誌。発売日と同時になくなる本もある。
Basic information
【 住 所 】北海道苫小牧市日新町2丁目7番30号
【 電 話 番 号】0144-71-2311
【 営 業 時 間】10:00〜21:00
【 定 休 日 】年中無休
松家さんがセレクト! 3冊のおすすめ本
1)百田尚樹著「海賊とよばれた男」(講談社)
今はやはり、この一冊でしょう。本命の呼び声どおり、2013年4月9日に発表された本屋大賞の受賞作です。出光興産の創始者出光佐三氏をモデルにした主人公の生き様自体にも引き込まれますが、それ以上に作品としての完成度がすばらしい。読めば読むほど味が出る奥深さを、ぜひ皆さんに堪能していただきたいです。
2)沼田まほかる著「九月が永遠に続けば」(新潮社)
文庫化されて以来ずっと売れ続けています、2004年の第5回ホラーサスペンス大賞受賞。買って行かれるのはほぼ100%女性のお客様で、あらためて女性が支える“まほかる”人気を実感させられました。ネタバレになるので細かいことは言えませんが、男女の愛憎や人間の心の闇を描きながらも作品全体に流れる不思議な美しさに魅了されます。
3)話題の達人倶楽部編「できる大人のモノの言い方大全」(青春出版社)
あちこちで取り上げられている話題書ですが、いいものはいいとして私からもおすすめします。一見ひるんでしまいそうなぶ厚さはどこから読んでもいい内容なので辞書感覚で拾い読みができますし、「ほめる、もてなす、断る、謝る、説明する、反論する」という編集も実に明解。「なるほど、こんな風に言うものなのか」と楽しみながら知識を増やすことができるコンパクトな実用本です。