北海道書店ナビ

北海道書店ナビ  第140回 くまざわ書店アリオ札幌店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?

札幌東区のアリオ3階に開店して約半年。当初の手探り状態から少しずつレイアウトを変えながら「地元の本屋さん」としてなじんできたくまざわ書店。目下の課題は店内に変化の色を打ち出すこと。リピーター客を飽きさせない店づくりを模索中だ。[2013.9.9]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=T6OUyOaAF8s]

東京八王子本社のくまざわ書店。前回の取材時にもご登場いただいた森田健嗣店長に開店半年後の感触をうかがったところ、「私自身、北海道勤務が初めてなのでオープン当初は手探り状態でしたが、最近はリピーターのお客様も少しずつ増え始めたように感じています」。
“大きな木”や床に描かれた動物たちが迎えてくれる楽しい空間の「こどものほん」コーナーは、オープン当初からファミリー層に大人気! アリオという場所柄ベビーカー率が高く、子連れの母親たちが「見てごらん、すごいねぇ」と話しかけながら入ってくる姿は、スタッフのモチベーションアップにもつながっているという。
店は奥行きのある600坪。何でも置ける広さは書店にとって大きな強みだが、同時に奥まったコミックや専門書の棚にまで足を伸ばさせる工夫が求められる。最近は新刊や話題書の棚数本を一直線に並べ、店の中に続く導線とした。
「お客様は毎日あるいは毎週アリオをご利用される方ばかり。変化のある店づくりが必要です」と話す森田さん。この日も店頭右側に広がる「北海道の本」コーナーでは『花新聞』フェアが展開されていた。花新聞担当者も「これからの秋に映える草花や雪が降ってからも室内で楽しめる緑など、テーマごとのバックナンバーを幅広く揃えています」と呼びかける。
ほかにも新しい棚として近隣の中央中学校の生徒たちが作ったポップコーナーが常設されていた。「どれも手が込んでいて見事な出来」と、プロの森田さんも舌を巻く出来映えだ。実はこのコーナー、くまざわ書店になる以前から始まった企画だが同店でも夏から復活。地域とのつながりを育む書店の役割はしっかりとバトンが渡されていた。
店の中央にはベンチが並ぶイベントスペースがあり、店主催の企画以外にも写真展などに無料貸出しをしていることはまだあまり知られていないかもしれない(販売等の営業行為は除く)。10月には北海道出身の絵本作家あべ弘士氏の来店もあり、「行くたびに面白いことがありそうな」変化にあふれた空間づくりが進んでいる。

Store picture

秋や冬も緑を楽しめる話題が満載、『花新聞』フェアを展開。

オープン当初から大人気!「こどもの本」コーナー。

無料レンタルもしているイベントスペース。

実物を見ながら比較したい看護や教育の専門書も充実。

Basic information

【  住    所  】札幌市東区北7条東9丁目2番20号アリオ札幌3F
【 電 話 番 号】011-750-9225
【 営 業 時 間】10:00〜21:00
【 定  休 日  】年中無休

森田店長がセレクト! 3冊のおすすめ本

1)岡崎武志著「蔵書の苦しみ」(光文社)

私も札幌に越してくるときに泣く泣く処分しましたが、「増えすぎた本は処分すればいい」——この、頭ではわかっていてもどうしても実行できない〈苦しみ〉をテーマに書評家の岡崎さんが「血肉化した500冊があればいい」などの自説を展開します。2万冊近くの蔵書に囲まれていた本人が下した決断に照らし合わせながら、自分だったらどうするか、〈苦しみ〉から解放されるヒントを探してみませんか。

2)和田竜著「のぼうの城 上」(小学館)

豊臣秀吉方約二万の大軍に対し、迎え撃つのはわずか五百。領民たちから“のぼう様”と呼ばれる城代・成田長親が率いる忍城(おしじょう)水攻めの顛末を描いた時代エンタメ小説です。本格時代小説ファンには少し物足りないかもしれませんが、スピーディーな展開はさすがの一言。読ませる筆力で、好きでなければ手が伸びづらい時代小説の世界に初心者を導いてくれます。著者の次回作は村上水軍をテーマにした話だそうです。

3)西畠清順著「そらみみ植物園」(東京書籍)

著者は世界中を巡るプラントハンター。『情熱大陸』にも取り上げられた西畠さんの尽きることのない植物愛が詰まった植物エッセイです。分類も「イラッとする植物」「残念な植物」など実にユニーク。植物の説明自体が二、三行でも最後の「でもおれは好き」という一言が力強いです。マニアックな世界観を見事に表現した装丁はアートディレクター森本千絵さんが率いるgoenのチームによるもの。売れているのも納得、です。

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