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北海道書店ナビ  第199回 全国大学ビブリオバトル2014 北海道地区決戦

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


今年12月に開催される大学生対象の「全国大学ビブリオバトル2014~京都決戦~」に向けて先ごろ、北海道の地区決戦が開催された。道内からは道南のA地区と道央のB地区から1名ずつ選出された。札幌で行われたB地区の予選大会に密着した。[2014.11.24]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=ZiInnfWkk34]


「体験してみましょう!」エキシビションからスタート

「全国大学ビブリオバトル2014〜京都決戦」の出場者を決める北海道地区決戦Bブロックが11月16日、札幌エルプラザ1階の情報センター図書館で開催された(Aブロックの地区予選は10月25日、室蘭市内で行われた)。
ステージに立つ参加者はすでに各地で行われた予選会を勝ち抜いたバトラー6人。北星学園大学、北海道教育大学、拓殖大学北海道短期大学など各大学やサークルの仲間に見守られての地区決戦となった。


会場は札幌エルプラザ。観客含め約40人が集まった。

主催団体「ビブリオバトル北海道」の安部尚登さんから京都決戦までの道のりが解説された。

6人のバトラーが持ち時間5分でプレゼンする。

主催団体であるビブリオバトル北海道は、この日「バトルを始める前に皆さんで体験してみませんか?」と、エキシビションを企画。会場を4グループに分け、あらかじめ依頼してあった有志がバトラーとなり、文字通り“膝を付き合わせた”距離でのプレゼンが始まった。


会場が一体となったエキシビションバトル。

さらにユニークだったのは、2回戦のバトルが終わったところで「飛び込み」のバトラーを募るオープンな呼びかけだ。「いまカバンに本が入っていて、“自分もやってみたくなった”という方、3回戦のバトラーになりませんか?」という誘いに、早速3人が手を挙げた。
「チャンプ本」を決めるための必要条件、“本が2冊・メンバー3人”が揃えばすぐに始められるビブリオバトルの即興性が伝わった。

コミックからノンフィクションまで〈推し本〉6冊を紹介

エキシビションで会場が温まったあとは、いよいよBブロックの北海道地区決戦が始まった。登場順にバトラーが推した本はこちら。
・拓殖大学北海道短期大学の石川柊斗さん・井上雄彦著『バガボンド』
・北海学園大学の勝田翔太さん・北森鴻『メイン・ディッシュ』
・室蘭工業大学土田健斗さん・佐々涼子著『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』
・北海道教育大学岩見沢校の永岑はるかさん・金城一紀著『映画篇』
・北星学園大学の比企優花さん・宮部みゆき著『長い長い殺人』
・北星学園大学の森田豪志さん・ロバート・B・チャルディーニ著『影響力の武器』


この本のどこが、どんな風に好きなのかを自分の言葉で訴えていく。

作中にたくさんの名作映画が登場する『映画篇』を紹介した永岑はるかさんは、登場人物の運命が劇的に変化する場面について「たったこれくらいの枚数(つまんで観客に見せる)で、運命が大きく変わるんです!」と、思い入れたっぷりに魅力を紹介。5分間を見事に使いきった最後は、主人公のセリフを引用し「『クソみたいな現実』を変えられるフィクションの力を、皆さんも信じてみませんか?」と、力強く呼びかけた。



「各章のタイトルになっている映画を見ていなくても大丈夫?」という質問には

「大丈夫です。でも見終わったらきっと見たくなると思います」と回答。


「紙の本の魅力」をたずさえて、さあ、京都へ!

投票は挙手で行われ、結果、北海道地区決戦Bブロックからは室蘭工業大学3年生の土田健斗さんが紹介した『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』が、チャンプ本に選ばれた。「大学1年のときからビブリオバトルをやっていますが、公式戦のバトラーとして出たのはこれが初めて。自分が一番“読んでほしい!”と思った本だったので、選んでいただいてうれしいです」と、土田さん。「紙の本の魅力」をたずさえて、12月14日の京都決戦にのぞむ。


「紙の本が好き、この本を読んでそう、はっきり思えるようになりました」。京都決戦、がんばって!

今年、公式戦に初めてバトラーを送り出した拓殖大学北海道短大の小林秀高先生は「いつもはゼミの“身内感覚”でやっていますが、公式戦となると各大学のカラーが出て面白い。ビブリオバトルは情報共有の場としてこれからも続けていきたいです」と語った。
職場でビブリオバトルをやっているという観客の女性も「こういう大会は自分たちの参考になりますし、面白い本が紹介されるのは純粋に嬉しいです」といい、会場の参加者各自が公式戦ならではの空間を満喫したようだ。


バトラー&スタッフの皆さん、お疲れさまでした!

知的書評合戦ビブリオバトル公式ウエブサイト

ビブリオバトル北海道

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