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北海道書店ナビ  第173回 函館蔦屋書店 前編

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?

2013年12月5日、函館蔦屋書店がグランドオープンしてからじきに半年が経とうとしている。2年前の同日に「大人のための生活提案空間」として代官山蔦屋書店が誕生し、函館蔦屋書店は全国展開の1号店にあたる。地域の誰もが気持ちよく過ごせる「みんなの居場所」を目指す大型書店の紹介を2週に渡ってお届けする。[2014.5.12]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=m3pUq4x1SOo]

函館市石川町、函館新道沿いに位置する函館蔦屋書店の魅力をより深く理解するためには、その2年前に東京・代官山駅近くにオープンした代官山蔦屋書店の知識が助けになってくれる。TSUTAYA経営で知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下CCC)が新たな試みとして取り組んだ同店は「大人のための文化の牙城」。文化的感性が成熟した50代、60代を「プレミアエイジ」と定義づけ、そんな大人たちが趣味を楽しめる空間として好評を呼んでいる。

この代官山蔦屋書店スタイルを源流に、CCCが次の一歩を踏み出した全国展開の一号店こそが、2013年12月5日にグランドオープンした函館蔦屋書店である。前述のプレミアエイジを中心とした親子三世代に対して「地域のみなさんが気持ちよく過ごせる”居場所”」を提案している。
店舗は2階建ての約2000坪。店に一歩踏み入れると、はるか先まで見通しがきく広大な空間が広がっている。1階フロアを貫く雑誌売り場「マガジンストリート」は約100m。「お客様が“好き”に出合うきっかけを提供する」構成だ。その雑誌の配置とリンクしている小部屋は「歴史」「哲学・思想」「宇宙・科学」「料理」「くらし」「アート」、そして「旅」に枝分かれし、選りすぐりの書籍がひしめいている。各ジャンルにはその道の案内人である「コンシェルジュ」がおり、気さくに本選びの相談にのってくれるところも代官山蔦屋書店から受け継いだ精神だ。「旅」の小部屋では旅行経験豊富なコンシェルジュが旅そのものの相談にものってくれるという。
取材に応じてくれた料理のコンシェルジュ、矢口涼子さんは函館出身。「料理書というとすぐに一般書かプロ向けという分け方を想定しがちですが、その間に広がっているいろいろな切り口からお客様に関心を持っていただけるように考えました」。確かに、棚を埋め尽くすレシピ本も「ひとりごはん」や「ふたりごはん」「かぞくごはん」「体にやさしいお菓子」「冷たいお菓子」など細やかな分類に分かれ、「昼ごはん」の中に昨年大ヒットした短編集「ランチのあっこちゃん」が混じっているなど変化に富んだ棚づくりは、ワクワクするような楽しさに満ちている。
一角には地元函館でスペイン料理店「バスク」を営む深谷宏治さんの著作も平積みされていた。「地元の料理人さんはこれからも応援していきたいですし、いろんな料理本をご紹介することで函館の食卓を豊かにするお手伝いができたらうれしいです」と話す矢口さん。親しみやすさと、新しい価値観の提案。函館蔦屋書店の理念を棚に映し出す。

次週は矢口さんのガイドでさらに他のコーナーに。「こども大学」や「本の森」も出てくるのでお楽しみに!

Store picture

函館新道沿いに立つ函館蔦屋書店。スタイリッシュな外観が目を引く。

約100mの長さにわたるマガジンストリート。洋雑誌も圧倒的な品揃え!

コンシェルジュの矢口さんが担当した「料理」の小部屋。書斎感覚で長居したくなる。

「料理」小部屋の外にキッチンを発見!料理研究家や店内レストランのシェフが実演する料理教室も開かれている。

Basic information

【  住    所  】函館市石川町85-1

【 電 話 番 号】0138-47-2600(代表)

【 営 業 時 間】7:00〜25:00
【 定  休 日  】年中無休

矢口さんがセレクト! 3冊のおすすめ本

1)深谷宏治著『スペイン料理―料理・料理場・料理人』(柴田書店)

スペインのバスク地方で料理を学んだ深谷シェフは地元函館でその名も「バスク」というレストランを開いています。今年で11年目を迎える「函館バル街」の代表も務め、函館にとどまらず日本にバル文化を浸透させた第一人者でもあります。そんな深谷シェフによる本格的なスペイン料理書、ぜひお手に取ってご覧ください。

2)台所育ち読書会編集『あの人の台所道具』(アスペクト)

「あの人」とは幸田文、向田邦子、高峰秀子、宇野千代…そうそうたる7人の女性作家のこと。台所道具そのものとそれらを描いた作家自身のこと、作品のこと、さまざまな方向から台所道具をとらえた一冊。道具はあくまでも使うものである、ということを気づかせてくれます。装丁もカブの模様がかわいらしくてステキです。

3)Beppe Finessi他著『Camparisoda』(corraini)

函館蔦屋書店では、一般書店ではなかなか手に入りづらい洋書も充実しています。この本も私が代官山の研修時代に一目惚れ。中身はカンパリソーダにインスパイアされたデザインワークが詰まったアートブックです。イタリア語が読めなくても大丈夫(笑)。ただただ見て楽しい本なのでカンパリソーダが好きな方もそうでない方もお楽しみいただけます。特に本体とカバーをはずすときの仕掛けは秀逸!店頭に確かめにいらしてくださいね。

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