心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?
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〈北海道の書店のいま〉をお伝えしている北海道書店ナビでは、同じ取材先を再訪し、新たな試みを教えていただくのも楽しみのひとつになっている。今回の訪問先、札幌東区にあるイーアス札幌1階の宮脇書店もまさにその好例といったところ。2年ぶりにうかがった店頭で真っ先に目についたのが、以前はなかった「店長vs文庫担当 いちおし文庫対決」コーナーだった。
2年前に同店に着任した高橋正敏店長のアイデアで始まったこの企画。ミステリー、ノンフィクション、泣ける小説、エッセイなどテーマごとに店長と文庫担当者の二人がいちおし本を手書きのポップとともに紹介し、売れた冊数で勝敗を決めている。今のところ両者2勝のいい勝負が続いており、取材当日は第5回「雑学」対決の真っ最中。高橋店長が推す『「言霊(コトダマ)の国」解体新書』を、文庫担当者は『くまのプーさん 心がふっとラクになる言葉』で迎え撃つ。表紙の雰囲気からして異なる選書対決が目を引くのだろう、コーナー前で両方を読み比べする姿も珍しくないようだ。
「文庫担当者の選書力も上がり、“毎回楽しみにしているよ”と言ってくださるお客様もいらっしゃいます。書店はたとえチェーン店でもオリジナリティーの追求が大事。売り場がマンネリ化しないように工夫していきたいです」。
個人的に歴史好きですので、このジャンルから一冊選ばせてもらいました。教科書では教わらない歴史を独自の切り口で解き明かす人気シリーズ。古代黎明編から始まって現在は「幕末年代史編1 黒船来航と開国交渉の謎」まで進んでいます。ミステリー作家の顔も持つ著者なので、どこまでが想像でどこまでが史実なのか、物議をかもすところがないわけではありませんが、判断はぜひご自分でお読みになってら。歴史好きにも、そうでない人にも読んでほしい作品です。
フリーターになりかけてた主人公、平野勇気19歳。三重県の山奥にある神去(かむさり)村で林業に携わることに…。ちょっとずつ、「なあなあ」に人として男として成長していく姿が面白くも清々しいです。林業というマイナーな世界ですが、読みやすさに定評のある著者の手にかかると、思わず就職したくなってしまう一級のワーキングノベルに。『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』の矢口史靖監督による映画化(2014年予定)も楽しみです。
わくわくするようなカバーイラストの中でひときわ目を引くのが、恐竜を飼いならしてる感満載の少年の姿。男なら誰しも一度は恐竜に憧れたはず?小さい頃の「ありえない夢」を歴史的事実と科学的根拠を元にリアルな想像へと変えてくれる空想科学図鑑です。飼いやすさの表示は10段階で、やはり肉食よりも草食系がおすすめ(笑)。子どものため、と言いつつお父さんのほうが楽しんでしまいそうな恐竜ワールド。親子の会話にご活用ください。
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