前菜　そのテーマの入口となる読みやすい入門書

トムは真夜中の庭で

フィリパ・ピアス　　岩波書店


●この《前菜本》を選んでくれた人

シミー書房 新明 史子さん

●フルコース名

「ホビットの村」の感動を「しらくも村」へ

シミ―書房選「大人だからこそファンタジー本」フルコース

おすすめポイント

札幌で手のひらサイズの手製本を作っている「シミー書房」さん。テキストやデザインは新明さんが、絵と製本はパートナーの岡部さんが担当し、「生活の中に心地よく存在する作品」を発表しています。

そんな新明さんが《前菜本》に選んでくれたのは、児童文学の名著『トムは真夜中の庭で』。真夜中のタイムトラベルがトムに教えてくれる新しいものの見方に世界の少年少女が共鳴してきた永遠の名作です。

スープ　興味や好奇心がふくらんでいくおもしろ本

ヘンな日本美術史

山口晃　　祥伝社


●この《スープ本》を選んでくれた人

ミチクル編集工房 來嶋 路子さん

●フルコース名

岩見沢在住・北海道の山を買った美術本編集者選

「日本美術の味わい方を知る」フルコース

おすすめポイント

2011年に北海道・岩見沢に移住してきたフリーランスの編集者、來嶋路子（くるしま・みちこ）さんは、日本美術や絵本、イラストレーション書籍のエキスパート。以前は東京の美術出版社に在籍し、『美術手帖』の副編集長だったことも。

「いままで美術書を読んで退屈な気持ちになった人にこそ読んでほしい」《スープ本》で、知られざる日本美術との出会いを楽しみましょう！

魚料理　このテーマにはハズせない《王道》をいただく

就職しないで生きるには

レイモンド・マンゴー　　晶文社


●この《スープ本》を選んでくれた人

ブックスキューブリック 店主 大井 実さん

●フルコース名

福岡の名物書店ブックスキューブリック大井さんから

独立・起業を考えているあなたに送るフルコース

おすすめポイント

2017年の北海道ブックフェスにゲストで来道した大井さん。江別と美唄で行われたトークイベントでは、ご自身の起業体験談から今後の書店の可能性まで熱のこもったお話を聞かせてくれました。

人はなぜ本を読むのか。それは「奴隷にならないため」。SNS時代になり情報に左右されやすい今だからこそ、心に刻んでおきたい一言でした。

肉料理　がっつりこってり。読みごたえのある決定本　

僕は、そして僕たちはどう生きるか

梨木香歩　　理論社／岩波書店


●この《肉料理本》を選んでくれた人

札幌市中央図書館 図書情報専門員 本間 恵さん

●フルコース名

かつて小中学生だったあなたへ、いま小中学生のきみに
「世界を信じる力をくれる本」フルコース

おすすめポイント

本間さんが《肉料理本》に選んだ本書には、著者の梨木香歩さんがインスパイアされた原本、児童文学者の吉野源三郎が書いた『君たちはどう生きるか』があります。

吉野版を原作とするコミックが現在ベストセラーになっていますが、原作も梨木版もあわせて主人公「コペル君」の選択肢をぜひご覧ください。

デザート　スイーツでコースの余韻を楽しんで

トランジション　人生の転機を活かすために

ウィリアム・ブリッジズ　　パンローリング


●この《デザート本》を選んでくれた人

藤女子大学 人間生活学部 人間生活学科

准教授 船木幸弘さん

●フルコース名

体験学習のエキスパートがアドバイス！
職場で役立つ人間関係づくりフルコース

おすすめポイント

2018年はあなたの人生にどんな転機が待っているでしょうか。新しい出会いや進学、転職、昇進、引越しなど、人生の転機（トランジション）に向けて心の準備をするために読んでおきたい船木先生推薦の《デザート本》。

他にも、職場の人間関係づくりに役立つ本や知っていそうで知らない”自分”を知るための本を読めば、ブレがちだった視界もクリアに！新たな一歩が踏み出せます。

今年もみなさまがいい本とめぐりあえますように！

本年も北海道書店ナビをよろしくお願いいたします。

次回の更新は1月15日月曜です。