北海道書店ナビ

北海道書店ナビ  第69回 ぶっくはうす りとるわん

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?

『こちらのお店は閉店しました。』

絵本の魅力を並べていくと指が何本あっても数えきれない。楽しくてやさしくて、ときどきおっかなくて、でもおもしろい。絵本専門店「ぶっくはうす りとるわん」にいると、どの棚からも「わたしを読んで」と声が聞こえてくるようだ。【2012.3.19】

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=tmnXCBi8qIU]

「ぶっくはうす りとるわん」は、出版社にお勤めだった佐々木正博さんが1997年に開業した絵本専門店。ひとつの絵本との出会いを大切にする佐々木さんの思いと、「私の子どもたち」のためにいい絵本を選びたいという来店者の親心を代弁した店名が、すとんと心に落ちてくる。

店の場所を白石区本郷通り沿いに決めた理由を尋ねると、「裏の本郷公園にね、小学生の子どもたちがたくさん遊んでいたんです。今どき珍しい光景だなと」。当時からすでに少なくなっていた<公園本来の使われ方>に惹かれ、この商店街での開業を決めたそうだ。

棚に並ぶ新旧の絵本は充実の約7000タイトル。座って絵本選びができるソファスペースもあり、書店というよりはなんだか絵本がいっぱいある友だちの家に遊びにきたみたいに居心地がいい。

毎週木曜15時から15分間の読み聞かせがあり、佐々木さんとスタッフの長沼たか子さんが朗読する。世の親たちが家庭でもせがまれる読み聞かせのコツは自然体でいること。「オーバーな表現よりも、子どもたちに<絵本で体験させる>ことを大切にしながら読んでみてください」とプロからのアドバイスをいただいた。

初孫や友人知人の子どもに「何かおすすめ本はありますか?」という問いかけに正解は用意していない。「贈るご本人が気になった、あるいは好きになった一冊こそがプレゼントにふさわしい」。そう考えているからだ。

店の隣には「絵本の原画展をやりたくて作った」りとるわんコミュニティホールがある。子育てに関するイベントも行われるので最新情報はぜひりとるわんのホームページでチェックしてほしい。

絵本には100刷りを超えるロングセラーが少なくない。いいものがいつまでも残る貴重なジャンルだ。「本当にいい作品は作家の意図を超えて絵本そのものが力を持つんです」と佐々木さんは言う。「りとるわん」が近所にある子どもたちは幸せだな。そう思いながら取材のペンを置いた。

Store picture

店は入口で靴を脱ぐくつろぎの空間。佐々木さん自慢の「ちょっとかわいいトイレ」もある。

開業16年。本好きの小学生だった女の子が20代になって遊びにくることもあるという。

中にはもう再版していない作品もあり、絵本との一期一会を提供する。

Basic information

【  名    称  】ぶっくはうす・りとるわん

【  住    所  】札幌市白石区本郷通6丁目南2−1 リラハイツ本郷通 1F

【 電 話 番 号】011-860-1325

【 営 業 時 間】朝 10:00〜夜 7:00

【 定  休 日  】毎週水曜日

佐々木さんがセレクト!3冊のおすすめ本

1)かとうまふみ著「のりののりこさん」(BL出版)

北海道育ちで岩見沢にある北海道教育大学を卒業したかとうまふみさん。小さいころから文房具が大好きだったようで、この「のりこさん」のほかにも「えんぴつのおすもう」を出しています。線は細いタッチですが色づかいがあたたかくて、キャラクターたちの表情もとても豊か。これからまだまだ期待できる作家さんです。店には他にもあべ弘士さんをはじめ道産子作家さんの作品をご用意しています。

2)ふくだゆきひろ著・写真「ラポラポラ―森にすむ妖精」(草炎社)

福田幸広さんは北海道の動物たちを撮り続けている写真家です。おそらく一度の撮影に何百枚もの写真を撮っているでしょうが、その中でも「これダ!」と思う動物たちの一瞬を収めたのが、写真絵本の「ラポラポラ」です。ラポラポラとはアイヌ語で「はばたく」という意味。森でいきいきと暮らす動物たちのいろんな表情を、ぴったりの文章とあわせてお楽しみください。

3)バーバラ・マクリントック著、福本友美子訳「シモンとおとしもの」(あすなろ出版)

一度読んだら忘れられない作品といえばコレ。タイトルを忘れたお客様でも「ほら、あの、男の子がおとしものをしていく話」と聞けば、ああこれだなとすぐにわかります。物語は19世紀末のパリが舞台です。学校帰りのシモンはあちらこちらに寄り道をしては、うっかりおとしものをしていきます。細かく描きこまれたパリの街なみがとても美しく、肝心のシモン(とそのおとしもの)がどこにいるのかを探すのも楽しい仕掛けになっています。

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