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北海道書店ナビ  第145回 ジュンク堂書店旭川店

書店所在地はこちらをご覧下さい。

心を揺さぶる一冊との出会いは人生の宝物。書店独自のこだわりやオススメ本を参考に、さあ、書店巡りの旅に出かけてみませんか?


北海道書店ナビ2回目の登場となるジュンク堂書店旭川店。JR旭川駅から歩いてすぐのファッションビル「フィール旭川」の1〜5階にオープンして約2年4カ月。「道北最大級」の専門書店のいまを名ガイド役の高田学副店長にうかがった。[2013.10.14]

[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=vgVcTCk2rLY]

前回ご登場いただいたときの熱〜い動画コメントが大好評!「出版社さんからも“見ましたよ〜”と声をかけられました」と笑う高田副店長は書店暦16年。顔見知りだったジュンク堂書経営陣に誘われ、2011年の開店時からスタッフの輪に加わった。
「はじめは“ジュンク堂”という大看板にプレッシャーもありました。当社の売りのひとつでもある人文・理工系の棚には10年以上書店勤めをしてきた私でも聞いたことのない出版社ばかり。この膨大な商品数に対して我々書店員の知識が追いつけるのか、自分たちの勉強不足を補うために必死の2年間でしたし、現在も毎日が勉強です」。
JR旭川駅すぐ、ファッションビル「フィール」の1〜5階を占める「道北最大級」の専門書店は、通勤通学の途中に立ち寄りやすい立地も魅力。通常は文芸書がメインとなる1階はフィールの女性客を見越して料理・手芸・美容本が主役、レジ付近の棚には手書きポップ付きのスタッフおすすめ本コーナーが設置されている。
平成25年6月6日からは地元の旭川大学・旭川大学短期大学部と連携協定を結び、教員・学生による本の紹介や講演会、読み聞かせなど今後さまざまなイベントが予定されている。

高田さんが「他のフロアとはちょっと違う雰囲気」と紹介してくれたのは5階のコミックコーナーだ。確かにエレベーターを上がると、見渡す限りのポップ、ポップ、ポップづくし!ベテラン担当者が出版社から送られてきたポップをこれでもか、といわんばかりに貼り付くしたディープかつ勢いのある棚づくりが圧巻だ。エスカレーター前の空間では北海道にゆかりのある作家の複製原画展を開催。作家リスペクトとコミック愛にあふれる空間が広がっていた。
さらに感動したのは、どのフロアを回ってもスタッフが全員笑顔で会釈してくれる、親しみやすい雰囲気が徹底していること。「“いらっしゃいませ”“ありがとうございました”という決まり文句も口先だけの態度は必ずわかる。言葉にウソをつかず、心をこめたご挨拶を交わすように心がけています」。メジャー書店ならではの品揃えに地元の個性とぬくもりを添える接客で旭川店独自の色を作りつつある。
Store picture



《地元大学と本と書店の力》で面白いイベントを続々企画中!





三浦綾子と井上靖、旭川に文学館がある作家コーナーはさすがの品揃え。





複製原画展も開催中、勢いのある5階コミックコーナー。


Basic information

【  住    所  】旭川市一条通8丁目108番地フィール旭川1~5F
【 電 話 番 号】0166-26-1120
【 営 業 時 間】10:00〜19:30
【 定  休 日  】年中無休


高田副店長がセレクト! 3冊のおすすめ本

1)葉真中顕(はまなか・あき)著『ロスト・ケア』(光文社)

「介護」という社会派テーマを扱いながらもミステリとしてのエンターテインメント性もしっかり兼ねそなえた傑作!作者自身の介護体験も生かされているようで、きれいごとばかりじゃない描写が実にリアル。第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作です。


2)芦沢ムネト著『フテネコ』(学研パブリッシング)

コントグループ「パップコーン」のリーダー芦沢ムネトが描くユルフワ&シュールなネコワールド。ぱっと見なぐり描きにも見えるネコたちが実はとても愛くるしくて、ホロリときそうになることも…疲れているんでしょうか(笑)。個人的にお気に入りの一枚は「この水なあに?」です。


3)鮎川哲也著『りら荘事件』(東京創元社)

ミステリファンの私にとって本書を超える作品を探すのは難しい!本格ミステリの巨匠鮎川哲也渾身の作品です。現在、“新本格派”と言われる綾辻さんたちも皆、この『りら荘…』が原点。物語の舞台となる『りら荘』で一癖も二癖もある日本芸術大学の学生たちを疑惑の渦に陥れる殺人事件が起こります。屍体の傍らにはスペードのAが…。特殊な設定のなかで絞り込まれていく犯人探しの幕引きや如何に?ミステリファン必読の一冊です!


週間売筋ランキング 対象期間平成25年8月1日~8月31日

文庫

第1位:「オレたち花のバブル組」 池井戸潤 著(文藝春秋)
第2位:「オレたちバブル入行組」 池井戸潤 著(文藝春秋)
第3位:「永遠の0」 百田尚樹 著(講談社)


文芸書

第1位:「ホテルローヤル」 桜木紫乃 著(集英社)
第2位:「爪と目」 藤野可織 著(新潮社)
第3位:「ロスジェネの逆襲」 池井戸潤 著(ダイヤモンド社)

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