あなたと誰かを結ぶ赤い糸。くるりとハートの円を描いたかと思えば、結び目がわからないほどぐちゃぐちゃに…。心模様を表す赤い糸の先には、一体どんな物語が待っているのでしょう。「誰もが優しくあたたかい気持ちになれるよう、そんな願いをこめて描きました」。「赤い糸」は道産子絵本作家そらさんの原点であり、素敵な代表作です。
2011年11月23日、絵本作家のそらさんはサッポロファクトリーにいました。この日開かれた「絵本ワールド2011」で読み聞かせをするためです。
「みなさん、こんにちはー。ん?声が小さいかな? もう一度こんにちはー!…はい、元気なお友達が揃ってくれました」。やさしい笑顔のそらさんが登場すると、ステージ前のちびっこたちもうれしそう。
この後は約30分、手遊びやうたも織り交ぜながら自作絵本「ほしをつかまえたおうじ」「TO YOU」、そして(社)札幌地区トラック協会発行の企画絵本「ランディー・シリーズ」(非売品)を読み聞かせ、子どもたちとの楽しい時間を過ごしました。
そんなそらさんが初めて描いた絵本が、今回紹介する「赤い糸」です。
「描いたのは今から10年くらい前でしょうか。イラストレーターとしても駆け出しで、目指す方向性もわからない。いろんなことに不安だった自分からある日急に膨れ上がるものがあって、最初に描いたのが…これ、この絵だったんです」
そういって見せてくれたのが、「赤い糸」の30ページ目。絵本の主人公はスノードームに入っている二人組(クマにもウサギにも見える、ちょっと不思議な動物たちです)。二人の指からは赤い糸が伸びているけれど、糸の先はつながっているような、いないような。「ちぎれやしないかな…/この赤い糸…。ちゃんと 君と/つながっているのかな。」当時の率直な心情が綴られています。
この絵から始まった「赤い糸」は、なんとたった一日で完成!「当時はそれしか持っていなかった」ペンとコピックで思いのままに描き上げた絵本作家そらさんの原点となりました。
「あのときの私のように不安な気持ちを抱えている方には、きっとどこかのページに〈そうそう、今の私はこんな感じ〉と思ってもらえる絵があるはず。でも読み終えたときには悩みごとも人生も、もう少しやさしくとらえられるようになっていてほしい」。
今後もイラストの仕事を続けるかたわら、「絵本は自分の成長記録。おばあちゃんになるまで描き続けたい」と語るそらさん。札幌からハートウォーミングな物語を発表し続けます。そして気になる赤い糸がどうなったかは…ぜひ皆さんの目で確かめてくださいね!
札幌出身。JR北海道のICカード「Kitaca」のエゾモモンガやほくでんのクマ家族などのキャラクターも手がける。
そらさんのブログ「SORA_.F_N”S BLOG」
http://www.north-base.com/sora
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